美食と取引｜荼毘 ページ46
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｢荼毘、お腹空いた｣
そいつはゆらり、と俺の背後から現れた。
彼女が『お腹空いた』、と言う時は、毎回嫌な予感しかない。
｢…人、取りに行くか｣
｢んーん、いい｣
Aは、『美食家』なのだ。
人肉や血液を好む。トガと気が合うようで、よく『食べ物』の取引をしている。
だが、今日はなんだ。
また面倒なパターンか、と自分の首元を掻く。
｢荼毘が飲ませてくれたらいーよ｣
これだ。
彼女は俺に後ろから抱き着いて、左の首元に顔を埋める。
当たる髪がくすぐったく、つい顔を顰める。
｢……いてぇ｣
首元を噛まれて血を吸われる。
吸血鬼のようなそいつの行動は、まさに奇妙だ。
何度もこのようなことはされている訳で、右の首元にも歯形がついている。
｢はー…荼毘の血は美味しいんだよね。私好み｣
｢感想なんか聞いてねぇ｣
｢ご馳走様。｣
何でここまでされて、嫌だと言わないのか。
それには一応、俺にもメリットとなる案件があるからだ。
美食家に付き合ってやったんだ、返しがないと困る。
｢じゃあ、お返ししてあげますか｣
｢さっさとしろ｣
｢はいはい｣
そいつは俺に正面から抱き着いて、唇を合わせる。
キス。それだけ。
後頭部に手を回して、深く口付けても、こいつはへばらない。
食べたあとで体力がバカ並みにあるからだ。
俺は、これで満足感を満たしていたのだ。
｢荼毘も悪趣味だよね。私なんかで満足出来るなんて｣
｢あぁ、相当おかしいと思う｣
二人共、狂った取引に塗れている。
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『愛する人間の血は、どの人間の肉よりも美味しいんです』
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リクエストありがとうございます！
もうそろそろ話数切れる…
治崎さんと天喰くんも書こうか悩んでたのでリクエスト頂けて嬉しかったです…！頑張ります！
ありがとうございます！
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タナタ(プロフ) - 文章の書き方がとても素敵です！良ければ、ホークス書いて欲しいです！これからよ応援しています！ (2月25日 22時) (
レス) id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです…!!荼毘くんが最推しなのですが他のキャラクター達も読んでみたところ魅力がたくさん…推しが増えてしまいそうです… (2023年2月2日 22時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
累 - 鉄哲君の物語の甘酸っぱさに1人悶えておりました！とても良い物語ありがとうございました！ (2021年8月16日 9時) (レス) id: 1eb84dbd89 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 短編もステキです(*´ω｀*)かっちゃん姉弟夢…切ないけどツボです！幸せになってほしい(切実) (2019年2月21日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ - 面白いです!リクエストなのですが、飯田君とオールマイトをお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 23dcbd0823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年5月27日 17時
