淡白と無欲｜轟焦凍 ページ37
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｢あっつい………｣
｢あぁ、暑いな｣
｢個性、使えばいーじゃん｣
｢変なところで体力使いたくねぇ。｣
固い奴め。と彼女は吐き捨てて、暑いと言うにも関わらず俺の肩に頭を預ける。
汗をかいているというのに、全く嫌な匂いも、水気もないその彼女は、少し不思議だった。
むしろ甘い匂いが、俺の鼻を擽る。
｢冷やして、轟くん。｣
｢だから体力使いたくねぇって｣
｢ケチ。｣
木陰にあるベンチに二人で腰掛け、そんな他愛もない会話を繰り返す。
一応恋人関係である自分たちだが、良くいえば無欲、悪く言えば冷めた関係で、あまりお互いが相手に我儘や甘えをすることはないのだ。
それが自分には少し物足りなく、彼女に距離感さえ感じてしまう。
自分は今すぐにでも彼女をどうにかしてしまいたいのに。
彼女にはそんな考えも伝わらず、お互い謙虚で純粋な関係を築いてきたのだ。
｢轟くんとのどうでもいい会話、私嫌いじゃないよ｣
そう吐き捨てた彼女は、まだ俺の肩に頭を預けたまま、目を閉じて陰の微かな涼しさを感じていた。
｢綺麗だな｣
少し零れる光が反射して、彼女の髪を彩る。
その姿があまりにも幻想的で、自然と口から零れた台詞だった。
…思った以上に、恥ずかしいこと言ったな。
少し、申し訳なくなった。
何となく、彼女の様子を伺えば、
｢………え｣
俺の、気のせいか
｢顔、｣
｢な、何。｣
｢赤くねぇか？｣
｢…暑いからだよ、｣
紅潮した頬が見えて、また愛おしくなった。
暑いから、と彼女は言うが。
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タナタ(プロフ) - 文章の書き方がとても素敵です！良ければ、ホークス書いて欲しいです！これからよ応援しています！ (2月25日 22時) (
レス) id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです…!!荼毘くんが最推しなのですが他のキャラクター達も読んでみたところ魅力がたくさん…推しが増えてしまいそうです… (2023年2月2日 22時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
累 - 鉄哲君の物語の甘酸っぱさに1人悶えておりました！とても良い物語ありがとうございました！ (2021年8月16日 9時) (レス) id: 1eb84dbd89 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 短編もステキです(*´ω｀*)かっちゃん姉弟夢…切ないけどツボです！幸せになってほしい(切実) (2019年2月21日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ - 面白いです!リクエストなのですが、飯田君とオールマイトをお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 23dcbd0823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年5月27日 17時
