�� ページ28
｢で、何しに来たの？｣
改めて聞いてみた。
ひざしくんは思い出したように私の方を向く。
｢ヒーローになるって宣言しに来た！｣
｢えっ、それだけ！？なんでわざわざ私に｣
｢続きあるから聞いてやれ｣
消太くんは私の肩を軽く叩いて、ひざしくんの後ろに回った。
ひざしくんは少し顔を赤くしながら、深呼吸をしていた。
彼の動揺するところは普段見られない。すごく珍しい。
私も焦ってしまい、彼の顔を覗き込む。
｢どうしたの、ひざしく…｣
｢あのさ、A｣
ひざしくんは私の顔をじっと見つめる。
普段とは全く違う彼の真剣な目が私を捉える。
私はどこか気が惹き付けられ、動けなくなる。
.
｢俺がプロヒーローになったら、
お前に告白させてくれねぇか？｣
.
ドキ。
胸が変な音を立てた瞬間、顔がぼっと熱くなる。
何も言えないでいると、ひざしくんの後ろの消太くんが小さくブッと吹き出す。
｢もうそれ告白してるようなもんじゃねえか｣
｢ち、ちげーよ！！あくまでもプロになったら！だ！｣
｢ふふっ、声うるさいってば、ひざしくん｣
緊張してるんだ。
ひざしくんは誤魔化すように普段の声を出している。
恥ずかしい、けど何だか暖かい。
顔を真っ赤にした私達は、顔を見合わせて笑う。
｢それを言いに来たんだよ、｣
｢そっか、
…約束だよ、ひざしくん｣
小指を差し出して、約束しようと言うように彼に向ける。
彼は一瞬驚いた顔をしたけれど、小指を絡めてくれた、
｢俺も一応ヒーロー志望だからな。｣
｢私だって！｣
｢それじゃあ俺がAに宣言した意味ねーじゃねーか！！｣
何言ってんだお前、と消太くんがまた笑う。
たしかに、とまた私も笑う。
本当に彼がプロヒーローになったら、好きだと言ってくれるのだろうか。
それまで好きでいてくれるのだろうか。
約束は、永遠のものであってほしいと密かに願ってみた。
.
.
『プロヒーロー、プレゼント･マイクの大切な人もまた、プロヒーローらしい。』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
山田ひざし表記にするか迷いました、、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タナタ(プロフ) - 文章の書き方がとても素敵です！良ければ、ホークス書いて欲しいです！これからよ応援しています！ (2月25日 22時) (
レス) id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです…!!荼毘くんが最推しなのですが他のキャラクター達も読んでみたところ魅力がたくさん…推しが増えてしまいそうです… (2023年2月2日 22時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
累 - 鉄哲君の物語の甘酸っぱさに1人悶えておりました！とても良い物語ありがとうございました！ (2021年8月16日 9時) (レス) id: 1eb84dbd89 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 短編もステキです(*´ω｀*)かっちゃん姉弟夢…切ないけどツボです！幸せになってほしい(切実) (2019年2月21日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ - 面白いです!リクエストなのですが、飯田君とオールマイトをお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 23dcbd0823 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：八尋 | 作成日時：2017年5月27日 17時
