劣等と孤独｜物間寧人 ページ7
｢………早く退いてくれる？｣
｢お前が僕の個性を認めるまで退く気は無い｣
｢何なの、その子供みたいな言いぐさ｣
自分よりも随分と小柄な奴の腕をギチッと握ると、彼女は うっざ と言うだけで顔を顰める
強引に床に押し倒された主は、こんな状況でも堂々としていて。
あー、相変わらず腹が立つ。
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事の発端は、Ａ組のこいつの一言だった。
たまたま、ヒーロー科合同の授業があり、手合わせ程度に模擬戦闘をすることになった。
そこで一対一の相手になった女子に、惜しくも自分は完敗した。
『そんな個性、ただの真似っ子じゃない？ ダサいね』
彼女は僕に向かって投棄てるように吐いた。
この"コピー"という個性は自分で言うのもあれだが 優秀な方だと思う
たしかに彼女はＡ組の中でも優等生に入る部類の個性を持っているし、頭もいい。
しかし、彼女の個性は『模写』
つまりほとんど僕の個性と同じ
なのに自分の個性を馬鹿にされる筋合いがあるのだろうか。
これは、劣等感。
彼女にだけ与えられた優越感。
悔しい。同じなのにこんなにも格が違う
だからこそ、妙に頭にきた。
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帰り。
１日イライラしながら日を越したわけだが、Ａ組の前を通れば当の悩みの種
隣のクラスのAが、教室に1人、ぽつんと残っていた。
………これは、自分の悪い根性だと思うが。
彼女に興味が湧いた。
いや、以前からたしかに同じような個性として興味はあったのだが。
教室に踏み込んで、彼女の手前まで距離を詰める。
｢あっれれー？？Ａ組の優等生のAさんじゃーん
何してんの、ぼっち？｣
相変わらず、自分でも相手をイライラさせるのは得意だと思う。
煽り口調で話しかける。
｢うん、ぼっち｣
彼女は動じない。
｢モノマネくんも、私と同じぼっち？｣
｢は？お前とは違うよ｣
｢ふふ、そうだね、私と君は違うよね｣
一切興味も示さずに、目の前の作業に没頭している。
…こいつも懲りないな
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タナタ(プロフ) - 文章の書き方がとても素敵です！良ければ、ホークス書いて欲しいです！これからよ応援しています！ (2月25日 22時) (
レス) id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです…!!荼毘くんが最推しなのですが他のキャラクター達も読んでみたところ魅力がたくさん…推しが増えてしまいそうです… (2023年2月2日 22時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
累 - 鉄哲君の物語の甘酸っぱさに1人悶えておりました！とても良い物語ありがとうございました！ (2021年8月16日 9時) (レス) id: 1eb84dbd89 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 短編もステキです(*´ω｀*)かっちゃん姉弟夢…切ないけどツボです！幸せになってほしい(切実) (2019年2月21日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ - 面白いです!リクエストなのですが、飯田君とオールマイトをお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 23dcbd0823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年5月27日 17時
