馴れ合いと意識｜オーバーホール ページ49
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｢敵連合とゴチャゴチャやってきたそうじゃですか｣
｢…お前、寝てろと言っただろう｣
｢やでーす。もう元気でーす。｣
病気にかかったような頭のおかしい女が背後から近づいてくる。
ある意味部下、ある意味良い武器であるそいつを跳ね除けることは不可能。
俺の背中にぴたり、とくっつくと、すぐに引き剥がしたい衝動が走る。
｢汚いな。個性使うぞ｣
｢分解ですか？一回食らってみたいです、お願いします｣
｢わかってて言ってるだろお前｣
こいつの個性は面倒にも、『無効化』という全てを打ち消すものであり、分解はこいつの意識が向いている時は一切効かない。
普段から痛い個性を食らってみたい、などと馬鹿な夢を描いていたりする、引くレベルのマゾだ。
面倒極まりない。
だが、そんなこいつをこの団体に置いている理由。
それは端的に言えば『使える』からだ。
｢私も敵連合の方達と会いたいですー｣
｢お前は分解して持っていけないから無理だ｣
｢ほんとにそれだけぇ？｣
その個性故に死なない。
不死身の彼女は、他の団体との馴れ合いに最適だった。
それに彼女も『実験体』なのだ。無駄に外に出られると困る。
そいつは顔を出して俺に話しかける。
｢過保護ですねぇオーバーホール。｣
汚い笑顔を向ける。
｢オーバーホール、ほんとは私のことが大好きなんじゃないですか？｣
｢！？はぁ？｣
物理的に彼女を遠ざけた。
少しよろめいて、体制が崩れる。
ひどく動揺しているのがわかる。馬鹿か俺は。
顔を隠すように彼女の方を見れば、けろっとわけのわからないような顔をしていた。
｢？やだなぁ、実験体としてですよ｣
流石にエリちゃんを超える愛は貰えませんな、と笑いながら言っていた。
無性に腹が立つ。
何を動揺していたのだろう。とんだ勘違いだ。
｢……さっきの取り消せ｣
｢やでーす｣
彼女は鼻歌を歌いながら、軽い足取りで自室へ戻って行った。
その背中を見つめ、小さく溜息をついた。
｢可愛い実験体…か……｣
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『少しは意識してくれたのかな、治崎さん』
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タナタ(プロフ) - 文章の書き方がとても素敵です！良ければ、ホークス書いて欲しいです！これからよ応援しています！ (2月25日 22時) (
レス) id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです…!!荼毘くんが最推しなのですが他のキャラクター達も読んでみたところ魅力がたくさん…推しが増えてしまいそうです… (2023年2月2日 22時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
累 - 鉄哲君の物語の甘酸っぱさに1人悶えておりました！とても良い物語ありがとうございました！ (2021年8月16日 9時) (レス) id: 1eb84dbd89 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 短編もステキです(*´ω｀*)かっちゃん姉弟夢…切ないけどツボです！幸せになってほしい(切実) (2019年2月21日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ - 面白いです!リクエストなのですが、飯田君とオールマイトをお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 23dcbd0823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年5月27日 17時
