明暗と相性｜常闇踏影 ページ13
｢ダークシャドウちゃんたちまた明日ね｣
｢……｣
｢あ、常闇くんもばいばい｣
｢俺はおまけか｣
影 である俺とは対照的な
光 の彼女。
同じＡ組で同じヒーロー志望。
俺の弱点は光。
彼女の弱点は影。
つまり、相性がとんでもなく悪い。
お互い個性を使用する際は近づかないようにしているし、どこか距離を取っている。
もどかしく、すぐにでも詰めたい遠さ。
近くても近づけない距離が。
それが何か気に触るせいか、彼女は暇があれば自分に構ってくる。
.
.
｢……どうかした？｣
｢あ、いや何も。すまない｣
｢珍しいね、何か考え事とは｣
まあ知的な常闇くんなら有り得るか、と一人で解決していた。
余計な心配をさせてしまった自分は、どうしようもなく。
.
.
｢……一つ、聞いてもいいか？｣
｢？うん｣
｢俺が、影じゃなかったら、俺達はもっと違う関係にあるだろうか｣
我ながら、咄嗟の変な仮定だ。
彼女は少し考える仕草をしてから、俺の手を取った。
俺の手より一回り小さい手は、それでも暖かいものを感じた。
｢そうだね、もっと違う関係だったと思う｣
Aは、かつて見せたことのないような優しく綺麗な笑顔を見せて、俺の方を見た。
｢でも、私は常闇くんが影だからこんなに近付きたいって思ってるんだと思う｣
｢近付きたい…？｣
｢あっ、｣
そこだけを聞き返すと、彼女は焦って顔を隠そうとした。
その手を握って、自分の方へ引き寄せる。
やはり彼女は眩しい、と見当違いなことを考えた。
｢えっ、わっ、私今めっちゃ恥ずかしいこと言ったよね！？ごめんね！？｣
｢あ…いや｣
｢あのあの、あれだよ、光があるから影があって、影があるから光がある……的なことを言おうとして｣
｢……｣
お互いがあってこそ ってことか。
と一人で納得した。
彼女はまだ少しワタワタしていて、どこか可愛かった。
｢わ、笑ってる…！？｣
｢……悪い｣
｢認めた！！｣
『もっと知りたいと思った。』
もっと光を知って、影として成長できたらいいな。
高鳴る胸を証拠に、ひそかにそう考えた。
｢俺はAのことをもっと知りたいと思う｣
｢え！？！？｣
｢駄目か？｣
｢だ、駄目じゃないです！！｣
『いつか貴方に好きだと言いたい。』
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タナタ(プロフ) - 文章の書き方がとても素敵です！良ければ、ホークス書いて欲しいです！これからよ応援しています！ (2月25日 22時) (
レス) id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです…!!荼毘くんが最推しなのですが他のキャラクター達も読んでみたところ魅力がたくさん…推しが増えてしまいそうです… (2023年2月2日 22時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
累 - 鉄哲君の物語の甘酸っぱさに1人悶えておりました！とても良い物語ありがとうございました！ (2021年8月16日 9時) (レス) id: 1eb84dbd89 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 短編もステキです(*´ω｀*)かっちゃん姉弟夢…切ないけどツボです！幸せになってほしい(切実) (2019年2月21日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ - 面白いです!リクエストなのですが、飯田君とオールマイトをお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 23dcbd0823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年5月27日 17時
