�� ページ11
｢Aくん、さっき飴を持っていると言っていたではないか、｣
｢う、うん、言った｣
｢その………授業が終わったあと、
貰ってもいいだろうか？｣
いちごミルク、と頬を少し赤らめて言う彼が本当に可愛かった。
私の頬は自然と綻んだ。
もう少し、いや、もっと。
この時間が続けばいいのに。
｢ねえねえ、飯田くん、いちごミルク好きなの？｣
｢いや、いちごミルクが特に好きという訳では無いな。
あまり食べたことも無いし｣
｢じゃあどうしてそこまで｣
彼はまたあたふたする。
純粋な疑問だ。
｢…君と同じ味にこだわるというのは……少し気持ち悪いだろうか｣
ガリ、
口の中で飴を噛んでしまった音がした。
彼がそういうことを言うのは意外すぎる。
私の顔が、望んでもいないのに一気に熱くなる。
噛んでしまった飴から、いちごミルクの味か口いっぱいに広がるそれは、
甘酸っぱい
彼にも味わって欲しい
｢いちごミルク、私は好きだよ｣
飯田くんの教科書を盾にして死角を作って、
彼の口元に私の唇をあてて。
甘ったるい味がまた口に広がる。
｢…………授業中、だぞ｣
｢照れてる。｣
｢照れてなどいない！！！！｣
顔が真っ赤だ。それが印だ。
彼は口元を抑えながら、私が噛んだ飴の半分の欠片を飲み込んだ。
｢ね？おいしいでしょ｣
｢………あまり、味がわからなかった｣
｢ふふ、せっかくなのに味わいなよ｣
｢あんなことをされて味わえるわけないだろう！！｣
ほら。
反応が面白い。
授業中だよ、課題しなよ、と促すと、彼は不服な顔で手をつけた。
｢授業終わったらちゃんとあげるからさ、｣
｢もう十分だ｣
『彼女からの甘酸っぱい味は、まるで恋の味そのもののような』
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
甘め。
苦手だったらごめんなさい、
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タナタ(プロフ) - 文章の書き方がとても素敵です！良ければ、ホークス書いて欲しいです！これからよ応援しています！ (2月25日 22時) (
レス) id: 4118c67c05 (このIDを非表示/違反報告)
Syara(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです…!!荼毘くんが最推しなのですが他のキャラクター達も読んでみたところ魅力がたくさん…推しが増えてしまいそうです… (2023年2月2日 22時) (レス) id: ebcd0fa8e6 (このIDを非表示/違反報告)
累 - 鉄哲君の物語の甘酸っぱさに1人悶えておりました！とても良い物語ありがとうございました！ (2021年8月16日 9時) (レス) id: 1eb84dbd89 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 短編もステキです(*´ω｀*)かっちゃん姉弟夢…切ないけどツボです！幸せになってほしい(切実) (2019年2月21日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ - 面白いです!リクエストなのですが、飯田君とオールマイトをお願いします! (2018年8月28日 18時) (レス) id: 23dcbd0823 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：八尋 | 作成日時：2017年5月27日 17時
