【Eddsworld】同人作家とトリガーハッピー

Episode3 説得 ページ5

「あ…？なんで俺の名前を…」


おっとマズイ。マズイぞこれは。
この反応からして“本物”なのかもしれない。いや、まだ半信半疑ではある。同名の別人？いや、今までの状況を鑑みて七八割本人だ。
…どうしたものか。


＿＿数秒の沈黙が二人の間に流れる。


その沈黙を最初に破ったのはTordだった。彼はパーカーのポケットから素早く一丁の銃を取り出すと、颯爽と警戒態勢へと入る。


…あー…銃が一丁だなんて保証何処にも無かったはずだったのに何で警戒しなかったんだろ…平和ボケしてんな…


なんて、変に冷静な頭で考えていると、いつの間にか眉間に銃口を突き付けられている事に気が付いた。


「正直に話せ。なんで俺の名前を知ってるんだ」

『そ、れは……』


考えろ考えろ考えろ！
トリガーハッピーの彼ならここで答えなければ躊躇なく私を撃ち殺すだろう。どうにかして言い訳を考えなければ。

夢小説みたいに原作を見せる？

駄目だ、信じてもらうどころか余計に警戒されるに決まってる。自分の生活を不特定多数に傍観されていた何て知ったらどうなるか想像もつかない。

ならどうする？




……。


私は不意に廊下の壁に掛かっているカレンダーへと目をやった。




……＿＿＿もう、これしか無いだろう。一か八か、だ。







『人違いです』

「は？」

『いや、だから人違いなんですって。貴方によく似た同名の人が昔知人にいたので間違えちゃったんです』


私の幼稚な答えに、Tordは面食らった様子でこちらを凝視している。勿論、今彼は全く信じていないだろう。

だったらこの言い訳に根拠をつけてやればいい。


『私、思ったんですけど…多分貴方はパラレルワールドから来たTordなんじゃないかなって』

「パラレルワールド？何を根拠に『カレンダー』

「……？」

『カレンダー見てみてください』


私はそう言ってカレンダーに視線を向ける。Tordもつられてカレンダーへ目をやると、その表情はみるみる驚愕へと変わっていった。

＿読みは当たったようだ。


「2020…？」

『反応からしてやっぱり貴方が居たところとは違うんですね』

「まさか本当に…いや、確かにそれなら説明がつく。ほとんど日本を知らない俺がなんでお前とこんなに会話が出来るのかも疑問だった……やっぱあの機械が原因で＿＿」

『機械…？』

「いいや、こっちの話だ。まあとにかくお前は限りなく白って事は分かった」


眉間から銃口が離れていく。なんとか無事誤魔化せたようだ。次の瞬間、一気に疲労が身体を襲いその場にへたり込む。

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