うたいてさんの小説

あらなる〜病院〜end ページ45

先生に言われた…晩


「今日か…」


空を見上げてぽつんと言った。

本当に…マジで今日なのか先生にもう一回聞いた。


【はい、きっと今日の晩までです…今日は、成瀬さんの隣にいてあげてください。】


そんなこと言われなくても、最初からそうするつもりだった。


ｶﾞﾗｶﾞﾗ

「なるせ〜！」


泣きそうなのをおさえて、元気に名前を呼んだ


『あらきっ！来てくれてありがと！』


なるせも元気に答えてくれた。
可愛い笑顔だ…

悲しくならないよう、ずっと楽しい話をしていた。
そんな最中、先生がなるせを見に来た。


【今日はどうですか？】

『うーん、なんか息苦しいかんじがします。』

【そうですか、体の方、痛みは？】

『ここらへんが痛いです。』


そう言いながら胸の辺りをさすった。

いつもは、
大丈夫です。とか、何ともないです。
って言うのに…

今日があっというまに過ぎていく。

いきなり、なるせの診察している扉のむこうから

『……しいですっ……んせい……けてっ……』

【大丈夫ですよ………いよいよですね…】


って声が聞こえてきた。
先生が俺に向かって手招きをしてきた。

ああ、きてしまったんだ。
逃げ出したい、この場所から…




『……ね…あらき…』


なるせは落ち着いているようだったが、すごく弱々しい声だった。


「うん、どうした？」


優しく答えた。



『手…貸して…？』


俺がそっと手を差し出すと、震える手で握られた。

泣き出しそうになりながら、なるせの手をぎゅっと握り返して



「なぁ、もう一回、俺の、名前を…呼んでくれ…」


最後にわがままを言ってしまった。

でも、なるせは優しくコクンと頷いて


『…あらき……あらき…ありがとね…好きだよ…』


そう言ってなるせは眠ってしまった。

ありがとう、なるせ。
俺もずっと、誰よりも好きだった。

なるせ、お疲れ様。


「ありがとう。」



end

ちょっとさー、話があんだけど聞いてくんね？(笑)→←あらなる〜病院〜5

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