うたいてさんの小説

あらなる〜病院〜4 ページ43

あの後なるせは目が覚めて、俺と一緒に話を聞きに行った。


『なぁ、俺大丈夫かな…』


なるせは車椅子からこっちを覗いて、顔には、不安げな表情を浮かべていた


「……大丈夫だよ…」


そりゃ心配するよな…俺は大丈夫、としか声をかけてやれなかった…


【成瀬さんは事故が起こった時に大量出血していて、なんとか今がありますが……】


なんとか…今がある？


【こちらでは…余命…というのも…出てきています。】


『余命…』


恐ろしいものを見てしまった、という顔をしていた。
そんなもの、聞かせなくても…


【話…聞かれますか？】

『………はい。』

「なるせ…」


俺はどうしてあげれば…


【今の成瀬さんの容態を見て、余命は…2ヵ月ほどかと、思います。】


2ヵ月！？そんな……


なるせside

2ヵ月……それだけなのか…

その衝撃が強すぎて他の話はなんとなくしか入ってこなかった

病室に戻って、これから2ヵ月どうしようか…と考えていた。


あらきside

なるせは病室に戻ってから、窓の外をぼーっと眺めていた。
ふと、こっちを振り替えって


『あらき…』


寂しそうな声で俺の名前を呼んだ


「どうした？」

『あのさ、これからずっと、病院に来てくれる？』


もちろん。なるせが望んでいることだ


「ああ、毎日でも行ってやるよ。」


そう言ってやるとふっと微笑んで


『ありがと、待ってるから。』


嬉しそうに言って、また窓の方に顔を向けた。怖いのか、不安からか少し肩を震わせながら…



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