【獄都事変】脱走 ﾄ 裏切【合作】

序章　『共謀を』(禍瑠魔) ページ2

そう… 願わくばもう一度


昔見た あの景色をもう一度。


戻りたい…？


戻りたい…！


追放され 行き場を無くした 自分達に 行くしか無かったあの都。


“あの時“ から時は過ぎ 今では 此処で楽しく暮らしていた。


でも足りない


何か 足りない


だから 今こそ此処から抜け出すんだ。


此の 限られた ''檻'' の中から。



「御機嫌よう 今の心境は如何かな？」



今日が いよいよ実行の日。


少し 緊張はするがそんなことで くよくよしてられない。



「あぁ… ただただ心臓痛い」


「ふふっ… 相変わらずだね そういうとこ 昔から変わらないよ」



大丈夫 いける


そう心に言い聞かせる。


そう 大丈夫 何故なら…。


今 自分の隣には心強い “親友” がいるから。



「じゃあ… そろそろ行こうか 沂漓。」


「あぁ……」



そう言葉を交わし足を踏み出す。


果たして この運命の先に見えるは＿＿


“幸福” か “陥穽” か。

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