45話 ページ45
常闇は黒影と共に崩れた場所から瓦礫を避けつつ部屋に侵入すると、いとも簡単に目的の核兵器に触れた。
「任務完了」
『ヒーローチームWIN！！』
小型無線からヒーロー側の勝利を告げる声が響く中、Aも瓦礫を避けて切島たちの元に向かう。
右手の力を抜くと同時に切島と瀬呂が再び動きを取り戻した。
二人はこの短時間で何が起きたのかを全く理解しておらず、戸惑いを隠せずにいる。
「さっきまで動けなかったのは私の個性で動きを"停止"していたから。常闇くんに壊してもらった壁の瓦礫に全く触らなかったら動けてたよ」
「あれ全部避けんのは無理だろ……」
「てか強すぎるって！ 俺らなんも活躍してねぇー！」
瀬呂は悔しそうに叫ぶとその場に座り込んだ。Aは同じく悔しがる切島に目を向けると、右頬に小さな切り傷があることに気づく。
先程の瓦礫で切れてしまったのだろう、切島の頬にAの右手が伸びる。
「えっ？」
「……あ」
無言で近付く小さな手に切島は身を強ばらせる。
Aは無意識に手を伸ばしていた。
その右手は傷に届くことはなく、授業前に個性を見せていた腕に触れる。
「ごめんね、なんでもない。個性かっこよかったよ切島くん」
「お、おう！」
「常闇くん、色々とありがとう。黒影も力強くてかっこよかったね」
「俺の方こそ感謝する」
「あっ、ずりぃ！ 千歳、俺は！？」
「瀬呂くんの個性は見る前に瓦礫に潰されていたから……」
「見せ場もなかったのか俺……！」
常闇のマントの隙間から顔を出している黒影の頭を撫でるA。
元気よく挙手をしたが再び落ち込んだ瀬呂を切島が手を差し伸べて立ち上がらせた。
切島の右頬にあった切り傷は跡もなく綺麗に消えていた。
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やおや(プロフ) - きゃーぽんさん» ご感想、応援をありがとうございます。お楽しみ頂けるお話をお届けできるよう努めますので、今後もどうぞよろしくお願いします…！ (2021年4月20日 0時) (
レス) id: 889f105f89 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - めっちゃ面白いです！頑張ってください！ (2021年4月5日 16時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やおや | 作成日時：2021年1月29日 2時
