二十五 ページ25
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消息を立つにはあまりにも急すぎた。
電話が切れる前の言葉を頼りに、ただひたすらに走る。
雨が降ってきたが、そんなものお構いなしだ。
「A！！」
目的地に着き、名前を呼ぶも姿はない。
辺りを見回し探し回るも、声すらも聞こえない。
付近の大江戸マートに駆け込み、
「この辺りで何か揉め事はなかったか？！」
荒げた声で尋ねる。
店員は、さあ、と首を傾げる。
「監視カメラを見せてくれ」
そう頼むも、
「うちにある外付けカメラはダミーでして。何も映してないんです」
困ったように笑う。
思わず肩を落とした。
「土方さん」
不意に求めていた声が、背後から降りかかる。
勢いよく振り向けば、わっと声を上げた。
土方の顔を見て、呑気にへらへらと笑っている。
「すみません、電話切っちゃって」
「お前、俺がどれだけ」
そのまま説教しようとした時、Aの背後からぞろぞろと見慣れた顔が現れる。
その中には、初めて見る男女。
二人は不貞腐れたような、悔しそうな顔を浮かべている。
「そいつら…」
「トシ、Aは見事だったぞ。
いつもの鍛錬のおかげもあって、襲い掛かってきた男をすぐに退治してなあ。そのまま応援を呼んで、今に至るってわけだ」
よくやったと近藤はAの肩を叩く。
女は嬉しそうに目を細めた。
「努力の賜物だな」
「へへ、ありがとうございます」
Aは上司に褒められ、恥ずかしそうに笑っている。
(俺は、あんな風に言えねえな)
すんなりと恥ずかしげもなく褒める近藤を、少し羨ましいと思ってしまった。
不意にAの首に痣があるのに気づく。
襟がかかり見えにくい場所であるものの、それはかなり広範囲に渡っているようだ。
「それ、どうした」
勝手に首元に手が伸びていた。
急に触れられ、Aの目は丸くなる。
すぐに、その目は伏せられ、ぼそぼそと口を開く。
「…女の人に絞められかけまして。まあ、すぐ解いたから問題ないんですけど」
「問題ないわけねえだろ。さっさと言え」
痣が残るくらいだ。
万が一のこともある。
いらないと断るAを無理矢理医者に診てもらうよう、山崎に押し付けた。
「過保護なこって」
沖田は楽しそうにえみを浮かべる。
「俺がどれだけ…
心配したことか、ですかい？」
言いかけた言葉を、男は続けて言った。
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Nattu(プロフ) - 早桃さん» 初めまして‼︎ｺﾒ嬉しいです〜ありがとうございます;;ゆったりまったり続けていきますのでお付き合いいただけたらと思います。最高と言っていただき凄く嬉しかったです;;; (2022年4月5日 23時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最高です、、、！本当に面白くて、土方さんとこれからの進展が楽しみです。いつまでも応援しています😌 (2022年4月2日 12時) (レス) @page30 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年2月15日 22時
