二十 ページ20
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扉を開け、にこにこと笑みを浮かべる。
目の前の住人は目を丸くしてこちらを見ている。
「初めまして。昨日隣に引っ越してきましたAです」
「同じく同居人の千影です」
ついさっき買った菓子折りを前に突き出し、
「お騒がせするかもしれませんが、よろしくお願いします」
二人で不気味なほどに笑顔を見せた。
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真面目な顔で大将は言う。
思わず千影と顔を見合わせた。
「囮捜査って本当にあるんですね…」
「せっかくお前達が来てくれたんだ。活躍できそうな場じゃないか」
「ただ、女ってだけじゃん…」
不貞腐れる千影に、近藤は困った顔をした。
今回の連続事件の被害者は全員若い女性。
そんな中ぴったりだと選ばれたことに納得はいく。
「でも、隊服着て貸家から出る訳にいきませんよね」
「その通りだ」
Aの問いに、土方は頷く。
すると、沖田はにやりと笑い、そのまま部屋を出た。
そして、すぐに帰ってくる。
足音が増えている。
「Aさん、千影さん、こんにちは」
「あっ…すまいるの」
そう言うと、お妙はにっこりと笑った。
被害者らを思い出して、また千影は顔を歪める。
「…夜職しろってことですね？」
「お前さん、化粧をAにやるくらい得意なんだろぃ。ぴったりじゃないですかぃ」
顔立ちが整った被害者達の中には数人、夜の仕事に就く女性達がいた。
その通勤中に命を奪われていた。
つまり、より囮に相応しい立場になれ、というわけだ。
そう考えていると、ふと疑問が浮かぶ。
「あの、いいですか」
遠慮がちに手を上げ、近藤に尋ねる。
一気に視線が集中する。
「被害者には皆、恋人ないし夫がいたはずです。この条件なら、私達にも恋人を作る必要がありますよ、ね？」
なんとなく想像がつきつつも、上目遣いで上司達を見る。
その視線に、土方と沖田は目を逸らす。
反して、近藤は楽しそうに笑って、
「それは、
Aが想像する通りだな！」
土方と沖田の肩を抱いた。
いつもなら犬猿の仲の二人も、顔を見合わせて顔を歪ませた。
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Nattu(プロフ) - 早桃さん» 初めまして‼︎ｺﾒ嬉しいです〜ありがとうございます;;ゆったりまったり続けていきますのでお付き合いいただけたらと思います。最高と言っていただき凄く嬉しかったです;;; (2022年4月5日 23時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最高です、、、！本当に面白くて、土方さんとこれからの進展が楽しみです。いつまでも応援しています😌 (2022年4月2日 12時) (レス) @page30 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年2月15日 22時
