十六 ページ16
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「あーあ、うるさくなってきやがった」
「あんな大人は嫌ですねえ」
皆酔いが周り、大きな声で騒ぎ始める。
中には喧嘩しそうな勢いの者もいて。
酒が一滴も入っていない素面の沖田と千影には、面倒な環境だった。
「今だな」
唯一二人を引き留めそうな近藤は、もう酒に飲まれている。
部屋の恥でいびきをかいているのを確認し、抜け出した。
「もっと立派な人達ばっかなのかと思いました」
千影は唇を尖らせながら歩く。
「男探しにここに入ったんですかぃ」
「まあ、そんなとこです」
悪びれもなく、彼女は言う。
(不純な理由)
と愚痴を言おうとした時、突然千影の動きが止まる。
声を掛けようとすると、しっ、と人差し指を立てた。
千影の視線を辿り、縁側のほうを覗き込めば酒を酌み交わす影が二つ。
「へえ…面白いことになってきやがった」
自然と口角が上がっていく。
千影も沖田同様、楽しそうに二人を見ている。
A達は話に夢中になっている上、酒のせいで判断力に欠けている。
沖田達に気づく気配すらなかった。
「うんうん。やっぱりこうでなくちゃ」
千影は嬉しそうに頷く。
「何がですかい」
「沖田さん。今日のA、何か違いません？」
「違う？服が違うんじゃないですかい。っても、あれを千影が着てるの見たことある気ぃすんな」
「他は？」
「他？」
そう尋ねられ、思い返す。
千影がやったであろう自然な流れにセットされた髪。
いつもより可愛らしい印象にさせる化粧。
「女っぽい格好してるってことか」
そう言うと、千影は満足そうに目を細める。
「可愛いでしょ。うちの同期」
歳が離れているAに対して、平然と彼女は言ってのける。
二人の仲の良さを改めて感じさせられた。
「毎日してくれたら、きっとモテるのになあ」
「Aとお前は正反対だ。あいつはそんなこと求めちゃいねえよ」
沖田の言葉に千影はふっと一息つく。
そのまま足の方向を変えて、
「恋で見える視点も増えるかもしれませんよ」
今後が楽しみですね、そう言って千影は自室に戻っていく。
もう一度二人を見れば、Aの緩んだ女らしい表情に、
「意外と、いいとこあるじゃねえか」
思わず視線を逸らした。
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Nattu(プロフ) - 早桃さん» 初めまして‼︎ｺﾒ嬉しいです〜ありがとうございます;;ゆったりまったり続けていきますのでお付き合いいただけたらと思います。最高と言っていただき凄く嬉しかったです;;; (2022年4月5日 23時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最高です、、、！本当に面白くて、土方さんとこれからの進展が楽しみです。いつまでも応援しています😌 (2022年4月2日 12時) (レス) @page30 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年2月15日 22時
