十五 ページ15
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だんだんと思考力が失われていくのが分かる。
けれど、その感覚が気持ちいい。
酒はよくないな、と改めて感じさせる。
「そういや、お前さん、男とかいないわけ？」
沖田は楽しそうに尋ねてくる。
「別にいませんよう。そんなの夢の話でしょう」
欠けた思考力で、言わなくてもいい言葉も溢れてしまう。
土方は意外そうな顔をしていて、沖田はにやにやと笑みを浮かべている。
「夢？お前、まさか」
「はいはーい失礼しまーす」
ちょうどいいタイミングで、笑顔の千影が酒を持って割って入る。
土方の断りも入れずに、グラスに酒を注いだ。
「そう言う土方さん達はどうなんですか？」
千影は笑ったまま、二人の顔を交互に見る。
土方は都合悪そうに、注がれた酒に口をつけた。
「煙草行ってくる」
そして、すぐに席を立つ。
(ああ、酔いが回ってきた)
熱くなる頬に触れ、ちょうどいいタイミングだと、
「私もちょっと厠行ってきます」
と部屋を抜けた。
扉を閉め、廊下を歩いていると後ろから楽しそうな声が聞こえてくる。
五月蝿いといっても過言ではないほどに、宴は盛り上がっているようだ。
風によって運ばれる、ほろ苦い煙。
「お疲れ様です」
「おう」
やっとひと息つけたというように、土方を大きく煙を吐いた。
そのまま通り過ぎて、自室に戻ろうとした時。
「もう帰るのか」
「少し酔ってしまったので」
「どうしても具合が悪いなら帰すが…夜風も悪くないぞ」
言葉にどこか優しさが含まれている。
(なんやかんやでこの人、いい人なんだよなあ)
職務中は厳しく、時にAがミスをした際にはペナルティを課すことだってある。
落ち込んでいる時に、そんなペナルティを受けていると辛くなることもあるが、Aが成功した際にはさりげなくではあるものの認めてくれる。
何より、女だから、男だから、という扱いはしない。
誰にでも分け隔てない、理想の上司ともいえる男だった。
「ちょっと待っててください」
小走りで元来た道を戻る。
部屋に入り、気配を消して酒瓶と酒器を取った後、静かにまた廊下を歩き、
「潰れるまで、責任とってくれるって言ってましたよね？」
酒器を手渡す。
土方はふっと笑みを零して、
「二度も言わせんな」
酒器を突き出した。
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Nattu(プロフ) - 早桃さん» 初めまして‼︎ｺﾒ嬉しいです〜ありがとうございます;;ゆったりまったり続けていきますのでお付き合いいただけたらと思います。最高と言っていただき凄く嬉しかったです;;; (2022年4月5日 23時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 最高です、、、！本当に面白くて、土方さんとこれからの進展が楽しみです。いつまでも応援しています😌 (2022年4月2日 12時) (レス) @page30 id: 636f4996a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2022年2月15日 22時
