2:僕らヤンデレ芸人やってます。 (ページ8)

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『すっ……すいません。酔ったことないんですけど…ちょっと今日は…駄目みたいです。』

彼女は果実の香りに消えたアルコール独特の風味に気付かず、ぐいっと呑み干した。呑んですぐに動きが遅くなった。

九条「ああ、酔っちゃったの？それじゃボクおうちまで送るね。」

奢るよ、と言ってすぐ店を出た。

足のふらつく彼女の肩を持って歩いた。

彼女はもう出来上がっていてかなり酔っているようだった。

九条「あーー…Aちゃん家知らないからホテルでええ？ええよな？」

『ん…？ごめんなさい、聞いてなかったです…。』

九条「じゃあええってことにしよか。」

部屋に入るときには彼女は眠っていた。

彼女をベッドに優しく置いた。

九条「さあて、どうしてやろうかな……。」

『ん……？九条さん…？』

彼女は目を擦りながらボクを見つめた。

彼女の黒い瞳に捉われてしばらく動けずにいた。

『初めてなんで……優しくして下さいね。』

そう言うと彼女はまた眠りについた。

は？

いつの間にかホテルに居たのに、ボクに好き勝手されそうになってるのに、初めてらしいのに。

全く動じなかった。

この子、酔ってるからかは分からないけど、ボクに興味が無いのか？それとも自分の置かれてる状況を理解してないのか？

九条「……下ちゃんが惚れる理由分かったわ……。」

この子は唯一無二の存在だ。こんな子、二度と出会えない。

ボクはAの口にキスをした。

九条「うふふ…ボクが堕ちちゃった。」