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-19, 歌には愛を(裏面) ページ37

「まさかあの実験の班でカラオケするとは思わなかったね、A!」

Aは私の言葉に頷く。

「ほとんど喋ったことない人もいるカラオケって、どうしたらいいかわかんないけど……」

緊張しているAはいつもとちょっと様子が違って、新鮮に見えた。そう、今日は彼女の新しい面を見つけられる日!普段は2人か、他の固定されたメンバーの友達と一緒だから、偶には珍しいところが見られるかもしれない。楽しみで楽しみでいてもたってもいられないよ!

「ところでA、今日の服も可愛いね?」

 そう言われて彼女は、ちょっとはにかんで目を逸らした。もちろんいつでも愛らしいけど、今日はきちんと色味を揃えたり、素材感に気を遣っていたのを知っている。

 だって全部聴いていたからね。

「ありがとーよかった……今日初めて遊ぶ子達もいるから、ちょっと気にした。そっちも超可愛いよ」

 安心し切った様子で胸を撫で下ろすA。そうだね、ドキドキしながらだけれど、結構楽しんでその服を選んでたもんね。

 服を選んでる時はノリノリで、緊張し始めたのは今日の朝から。「この服で平気かな」って家出る直前まで家族に聞いていたところ、録音データとして私のスマホに記録されてるよ。なんなら今から再生できるもん、やらないだけでできるんだよ。声、生活音、息づかいまで全部聴いていたよっ!

服ももちろん可愛いけど、鼻歌を歌いながらその服を選んでたのも含めて全部可愛い!
盗聴器じゃなくて直接聞きたかったなぁ……

「めっちゃ良い!」

この愛しさをどう言い表すべきなのかわからなくて、とにかく顔にも手にも力がこもってしまう。ぎゅっと目をつぶった私に、Aは鈴を転がしたような可愛らしい笑い声をあげるのだった。

 ちょうどその頃、K君達が戻ってきた。なにやら少し喋っていたけれど、早速彼から歌うらしい。

 イントロを聴いて分かった。この曲はカラオケの定番ソング。しかし、ほんの少しだけ恋愛の要素も含まれているはずだ。私は確信に目を細める。K君、やっぱりAが好きなんだね。

 無意識に腕を組んでいた。値踏みするように、歌う彼を頭のてっぺんからつま先まで眺める。Aと付き合うつもりなら、釣り合う人間になってもらわないとね。みんなが楽しむつもりのカラオケで、真剣な目つきをしているのは私だけなのかもしれないなぁ……?

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設定タグ:ヤンデレ , 夢小説 , 芳一のヤンデレシリーズ   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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バニー芳一(プロフ) - natukiさん» 読んでいただきありがとうございます!お好みのヤンデレがお届けできて恐縮です (3月25日 12時) (レス) id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)
natuki(プロフ) - すごく面白いです!!ヤンデレ系のお話大好きなんです!!バニー芳一 さん天才ですね✨ (3月25日 10時) (レス) id: 6c526090d7 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - えふあさんさん» 読んでいただきありがとうございます!大学生の病み方は受け入れられるか若干不安だったので、嬉しいです (1月15日 20時) (レス) id: be5118262c (このIDを非表示/違反報告)
えふあさん - 大学生さんのヤンデレが見事わたしの性癖だったのですごい好きです…!ほかの子達のヤンデレも読んでて楽しかったです!! (1月15日 20時) (レス) id: 1f387bf1d2 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - 碧花さん» 読んでいただきありがとうございます!なかなかない構成ですが、挑んで良かったです (1月13日 23時) (レス) id: e63de7a269 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バニー芳一 | 作成日時:2023年8月4日 11時

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