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19, 歌には愛を/親友 ページ35

クラスの女子がカラオケに誘ってくれた。何かにつけて「打ち上げ」をやりたいらしく、先生たちにバレない範囲内で出来るだけ大規模にやりたかったらしい。

 人前で歌う機会なんて音楽のテストくらいでしかなかったから緊張していたけれど、実際には「クラス全員が入れるカラオケルームがないから、班分けしよう」という話になった。

「まさかあの実験の班でカラオケするとは思わなかったね、A!」

「そうだね。ほとんど喋ったことない人もいるカラオケって、どうしたらいいかわかんないけど……」

まさに「まさか」と言ってしかるべき状況だと思う。私達が2人で歌うことはよくあるけど、男子達はどんな歌を歌うのか全然わからない。

 今はカラオケルーム内のソファに座り、アイドルグループが広告の特集番組で喋っているのを見ている。K君達はドリンクバーを取りに行っているけれど、先に歌うのは億劫だから。

「ところでA、今日の服も可愛いね?」

 隣に座る彼女がニコニコしながらこちらを見る。いつも可愛いって言ってくれるけど、たしかに今日はちょっと色味を気にして服を選んだ。実は昨晩から服装を選んでいるけれど、それは流石に内緒。ずっと気にしてたってバレたら恥ずかしいし。

「ありがとーよかった……今日初めて遊ぶ子達もいるから、ちょっと気にした。そっちも超可愛いよ」

「めっちゃ良い!」

ぎゅっと瞼を閉じて「めっちゃ」の具合を伝える彼女に笑みが溢れる。

 そうしているうちに、K君達が炭酸片手に部屋に戻ってきた。

「ただいま。A達は2人ともカルピスって言ってたよな」

「うん、ありがと」

受け取ったグラスから1口飲むと、甘酸っぱい香りが口いっぱいに広がった。さて準備は整ったところで、誰から歌うんだろう?

「K、お前歌えよ」

他の男子にはやし立てられ、彼は「なんだよ」と小突きながらもマイクと端末を取る。

 画面には、私達が5歳程度の頃から有名な定番ソングが映し出された。なるほど、普段クラスでおちゃらけている彼は、結構王道派らしい。

「よっし盛り上がるぞー。お前らちゃんと合いの手入れろよ!」

お前ら、と言いつつ私と主に境を合わせる彼。わかってるよ、と返事して私は苦笑し、そこに置いてあるタンバリンを手に取った。

───────

「服を選んでる時はノリノリで、緊張し始めたのは今日の朝から。息づかいまで全部聴いていたよ」

【お知らせ】完結確約祝い→←-18, 君の隣は?(裏面)



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設定タグ:ヤンデレ , 夢小説 , 芳一のヤンデレシリーズ   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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バニー芳一(プロフ) - natukiさん» 読んでいただきありがとうございます!お好みのヤンデレがお届けできて恐縮です (3月25日 12時) (レス) id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)
natuki(プロフ) - すごく面白いです!!ヤンデレ系のお話大好きなんです!!バニー芳一 さん天才ですね✨ (3月25日 10時) (レス) id: 6c526090d7 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - えふあさんさん» 読んでいただきありがとうございます!大学生の病み方は受け入れられるか若干不安だったので、嬉しいです (1月15日 20時) (レス) id: be5118262c (このIDを非表示/違反報告)
えふあさん - 大学生さんのヤンデレが見事わたしの性癖だったのですごい好きです…!ほかの子達のヤンデレも読んでて楽しかったです!! (1月15日 20時) (レス) id: 1f387bf1d2 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - 碧花さん» 読んでいただきありがとうございます!なかなかない構成ですが、挑んで良かったです (1月13日 23時) (レス) id: e63de7a269 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バニー芳一 | 作成日時:2023年8月4日 11時

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