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-14, 親密図書館(裏面) ページ26

最近、すごく小さなことで嫉妬するようになった。Aが他の友達と話して、笑って。それだけで瞳に鈍い緑が湧く。自分以外に見せる表情があるって、その事実が気に食わない。

 ただ、今日の僕は流石におかしくなっていると反省した。なんで休み時間のAにコソコソついて行ってんの。何してんの僕、ストーカーかよ。自分にうんざりする。


 Aは図書室に入っていった。後を追うと、高いところの本を撮ろうとしているらしい姿が見えた。一生懸命背伸びしている背中、もはやそれ以外のものが目に入らない。

「手伝う……いや、届くか。それになんで僕がここにいるのか聞かれたら終わりだし」

 遠巻きに眺めているとき、突然のショックが僕を襲った。彼女の頭上を自由落下しようとする10数冊。考えるより先にとびだしていた。

 ハードカバーに殴りつけられる中、Aを抱きしめる。クソ痛くて奥歯をギリリと鳴らすほど食いしばる。この痛みをAが味合わなくてよかった。

……この心音は、彼女に伝わっているのだろうか。心臓が痛くなるほど暴れる心拍数は伝わっているのだろうか。もし彼女が怪我をしたら、頭を打って目が覚めなくなったら、もしAを失ったら……。運動した時や暑い時とは違う、嫌に冷たい汗が吹き出てくる。

「もー、Aったらさ〜」

 表情まできちんと「いつもの僕」を作れるようになるまで、時間をかけてゆっくり腕の力を緩める。

「気をつけないとだめだよ」

表情はどうにか作れたものの。声色は柔らかなものではなくなってしまった。だからかな、Aもしばらく呆然として僕を見つめていた。

「うわ、ごめん!怪我してない!?」

我に帰ったようにビクリと体を震わせると、彼女は慌ただしく動き始めるので、肩に手を置いて落ち着かせる。

「はい、慌てない〜。こういう時にドタバタ動くと余計に危ないんだよ」

僕の手を見た彼女の目が、ほんの少し臆病な色を映した。

「痛かったよね、本当にごめん……」

 青い顔で腹部を抱き抱える姿。ああ、僕を心配してくれている。僕だけのために罪悪感を抱いてくれている。僕だけを映すその瞳。また恋に堕ちる。

「僕はへーき。それよりA、本借り終わったら一緒に話そ?いつもみたいに楽しく笑顔で〜」

 滅多に見られないその表情が嬉しくて、嬉しくて。きっと僕の今の笑顔は最良なのだろう。

15, 満員と近接→←14, 親密図書室



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設定タグ:ヤンデレ , 夢小説 , 芳一のヤンデレシリーズ   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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バニー芳一(プロフ) - natukiさん» 読んでいただきありがとうございます!お好みのヤンデレがお届けできて恐縮です (3月25日 12時) (レス) id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)
natuki(プロフ) - すごく面白いです!!ヤンデレ系のお話大好きなんです!!バニー芳一 さん天才ですね✨ (3月25日 10時) (レス) id: 6c526090d7 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - えふあさんさん» 読んでいただきありがとうございます!大学生の病み方は受け入れられるか若干不安だったので、嬉しいです (1月15日 20時) (レス) id: be5118262c (このIDを非表示/違反報告)
えふあさん - 大学生さんのヤンデレが見事わたしの性癖だったのですごい好きです…!ほかの子達のヤンデレも読んでて楽しかったです!! (1月15日 20時) (レス) id: 1f387bf1d2 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - 碧花さん» 読んでいただきありがとうございます!なかなかない構成ですが、挑んで良かったです (1月13日 23時) (レス) id: e63de7a269 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バニー芳一 | 作成日時:2023年8月4日 11時

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