-13, 笑顔の魔法（裏面） ページ24
最近、「手伝って」と言われる前に手伝うのがマイブームになっている。Aのこと、なんでもかんでも知ろうとしている身だから、何をして欲しいのかわかることもあるのだ。
そもそもAは優しすぎて人を頼るのが苦手だ。だから今日も私から掃除を手伝ったら、とびきりの笑顔で喜んでくれて私もホクホクだった！
……だったんだけれど。思わぬ邪魔が入ってテンション爆下がりだよ。
「ごめんね、変なことに巻き込まれて」
「全然！むしろもっと頼ってよ！」
私が叫ぶと、Aはびっくりして目をぱちくりさせていた。その様子がひよこさんみたいであまりにも可愛くて、私もちょっと落ち着いた。
「親友なんだから、もっと頼って欲しいよ……私、Aがあんなふうに言われたの許せないよ」
目元が熱くなる。泣きたいのは私じゃないでしょ、私は泣くべきじゃないでしょ。私が涙を隠そうとうつむくと、彼女は気遣ったように笑って「ありがとう」と言うのだ。
やっぱり、この天使さまは重い私なんかにも優しい。だから私はこの子が大好きなの！友達なら助けるのは当然、親友ならもっと当然なことなのにそれに感謝して。
「巻き込んでごめん」なんて。絵の具のチューブから出したばかりの白よりも潔白じゃないとこんなこと言えない。
勿論、そんなAは遠慮してあんまり頼ってこない。わかってる。だからまた、自分から動くことにした。
そうそう、盗聴とか盗撮してると誤解されそうだけれど、私に独占欲はない。Aが幸せで、Aと親友でいられるなら、それ以上を望むこともない。
仮に誰か他の人と話していても嫉妬なんてしないし、誰かと付き合って結婚しても私はそれを祝福するつもりだ。
そりゃあ自分が恋人になれたら1番嬉しいけど、それでも好きな人が選んだ相手なら私よりきっといい人だもん。それを笑って祝うのが、相手を思いやるってことでしょう？
「だからこそ、Aの笑顔を奪う相手には容赦しないのだぁ」
Aに無茶な理屈で説教した教師、アイツは普段杖をついてる。私は人知れず杖の先端を折り、弱くて剥がれやすい接着剤で修復した。きっとこの杖で転んだら事故に見えるはず……。
翌朝のホームルームで想定通りのお知らせが届き、私は内心ガッツポーズをしていた。思ったより重症らしいけど、ちょうど階段を降りる時に接着剤が剥がれたみたい……
あはっ、なんて幸運！
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バニー芳一(プロフ) - natukiさん» 読んでいただきありがとうございます！お好みのヤンデレがお届けできて恐縮です (3月25日 12時) (
レス) id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)
natuki(プロフ) - すごく面白いです！！ヤンデレ系のお話大好きなんです！！バニー芳一 さん天才ですね✨ (3月25日 10時) (レス) id: 6c526090d7 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - えふあさんさん» 読んでいただきありがとうございます！大学生の病み方は受け入れられるか若干不安だったので、嬉しいです (1月15日 20時) (レス) id: be5118262c (このIDを非表示/違反報告)
えふあさん - 大学生さんのヤンデレが見事わたしの性癖だったのですごい好きです…！ほかの子達のヤンデレも読んでて楽しかったです！！ (1月15日 20時) (レス) id: 1f387bf1d2 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - 碧花さん» 読んでいただきありがとうございます！なかなかない構成ですが、挑んで良かったです (1月13日 23時) (レス) id: e63de7a269 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バニー芳一 | 作成日時：2023年8月4日 11時
