9, 風邪ひいた 前編/幼馴染 ページ17
凄く体がだるいし体調不良ではあるけれど、熱はないから学校を休む理由が作れない。そんな状況で登校したせいで、私の体力は2時間目を過ぎたころに尽きていた。
「2時間頑張っただけ褒めてほしい……次の授業、体育なのは流石に無理だ」
親友や他の友達には、「平気だから先に着替えてて」と言ってしまった。もう着替えとか行ってる余裕がないし、助けを求めようにもみんなは今頃着替え途中だろうし。頭が重い、筋肉が疲れている、この席から動けない。
つまり、非常に、まずい！
「あれ、Aまだ教室にいたの？」
救世主は開きっぱなしの教室の戸から覗き込んできた。隣のクラスの幼馴染が、偶然こちらに気が付いたみたいだ。
「そっちのクラス、たしか体育でしょ？……もしかして、A具合悪い？」
「あーうん……ちょっときついかも」
「そっか。じゃあ保健室連れていくよ」
彼は落ち着いた様子で返事して、こちらの教室に入って来た。
「でも、そっちの授業遅れちゃうんじゃない？ たしか数学だから、先生厳しいでしょ」
「そんなのどつでもいいんだよ〜こういう時は遠慮しない！」
ぴっと人差し指を立てて私に注意する彼。
「ほら、熱あるんじゃない？」
そう言った彼の行動に、私はびっくりして何度も瞬きしてしまった。前髪を片手で挙げた幼馴染は、そのおでこを私のおでこにくっつけたのだ！
近い、目の前に彼がいる。変に動いてもっと高くなってしまったら照れすぎてまずい。私は固まって動けなかった。
彼の顔は結構整っている方だから、余計に変な気持ちになってしまう。幼馴染だし頻繁に話すし、慣れてはいたけど、それでもゼロ距離は恥ずかしいって！
こんなにそわそわして暑いのは、きっと熱のせいだけじゃない。本当は「心配してくれてありがとう」って言うべきなんだろうけど、強がりが口を突いて出る。
「よ、よくそんな風におでこ触れるね……びっくりした」
彼は特に気にする様子もなく、さらりと言った。
「別に？身内至上主義とかナントカとしては、幼馴染のおでこくらいいつも見てるし全然。それにAにしかこんなことしないよ〜」
ああいえばこういうんだから。どきどきして余計に熱くなった気がする。私はシャツのボタンを開け、手で自分をあおいだ。身内のこととなると距離感がバグるし動じないんだから、私は困らされるのだ。
──
後編は親友も出てきます。
9, 風邪ひいた 後編/幼馴染+親友→←-8, 帰路の騒動（裏面 後編）/？？？
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バニー芳一(プロフ) - natukiさん» 読んでいただきありがとうございます！お好みのヤンデレがお届けできて恐縮です (3月25日 12時) (
レス) id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)
natuki(プロフ) - すごく面白いです！！ヤンデレ系のお話大好きなんです！！バニー芳一 さん天才ですね✨ (3月25日 10時) (レス) id: 6c526090d7 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - えふあさんさん» 読んでいただきありがとうございます！大学生の病み方は受け入れられるか若干不安だったので、嬉しいです (1月15日 20時) (レス) id: be5118262c (このIDを非表示/違反報告)
えふあさん - 大学生さんのヤンデレが見事わたしの性癖だったのですごい好きです…！ほかの子達のヤンデレも読んでて楽しかったです！！ (1月15日 20時) (レス) id: 1f387bf1d2 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - 碧花さん» 読んでいただきありがとうございます！なかなかない構成ですが、挑んで良かったです (1月13日 23時) (レス) id: e63de7a269 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バニー芳一 | 作成日時：2023年8月4日 11時
