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1, 親友の距離/親友 ページ1

私の人生は、とにかく善人に囲まれている。
 例えば、毎日一緒に登下校する親友!

「おっはよーA!」

 某芸人ではないが、とにかく明るい彼女とは小学生の頃からの仲だ。勿論他の友達がいないってわけではないが、何かと彼女と一緒に行動する。

 彼女は私を見るなり、弾けるような笑顔でこちらに駆けてきた。

「昨日の特番、面白かったね!」

 そうだ、私もその話がしたかったんだった。私は今にも思い出し笑いしそうになりながら言う。

「あのバニー芳一ってピン芸人のギャグ、すごいしょうもないけど面白くて笑っちゃった」
「わかる! あと導入の『どうも〜兎なのに耳ナシ。バニー芳一です〜』って言ってから……」

 続きのギャグを思い出した私たちは、同時に吹き出した。けらけらと転げまわるような大爆笑を、通学路にまき散らした。肩を揺らして、子供のように手を叩いた。きっと太陽も一緒に笑っていたはずだ。それほど明るく穏やかな時間だった。

「あの芸人さん、Aは絶対好きだと思ったもん〜。年末の芸人大集合でも、ああいうやつで笑ってたよね」

 笑いすぎて目尻ににじんだ涙を拭う彼女に、私は頷いた。

 毎日の登下校、こうして軽い気持ちで話せる友達がいるのは幸福だ。特に私達は好みも合う。私が見たテレビ番組はほとんど彼女も見ているし、同じ本を持っていたり、ふと話したいなと思ったら向こうからメッセージが送られてきたり。
 まさに親友と呼んでしかるべき相手だ。

 そして……。

「今日の服似てない?」

 2人の服を見比べた彼女は、くるりと回って彼女自身の服を引っ張る。そして興奮きみにぴょんぴょん跳ねた。

「またリンクコーデじゃん!」

 服の趣味すら合う。今日は私のボトムスと相手のトップスの色味がリンクしていた。週に1回は2人の服がリンクしている。


 そういえば。ふと疑問が浮かんで私は口元に指をあてる。

 あの特番を見る話って彼女にしただろうか。普段は私の趣味じゃないのだが、何となくテレビをつけっぱなしにしていたら思いのほか面白かったが。どうして私があれを観たと知っているのだろう。

 まあ、些細なことか。彼女が特番を気に入ったから、その話をしたかったのだろう。気に留めたのはほんの数秒で、次の瞬間には今日の授業の話をしていた。

──────────

「テレビ見て笑ってる声、可愛いんだよね。盗聴器越しじゃなくて直接聞ければいいのに」

-1, 親友の距離(裏面)→



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設定タグ:ヤンデレ , 夢小説 , 芳一のヤンデレシリーズ   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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バニー芳一(プロフ) - natukiさん» 読んでいただきありがとうございます!お好みのヤンデレがお届けできて恐縮です (3月25日 12時) (レス) id: e2dede88a8 (このIDを非表示/違反報告)
natuki(プロフ) - すごく面白いです!!ヤンデレ系のお話大好きなんです!!バニー芳一 さん天才ですね✨ (3月25日 10時) (レス) id: 6c526090d7 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - えふあさんさん» 読んでいただきありがとうございます!大学生の病み方は受け入れられるか若干不安だったので、嬉しいです (1月15日 20時) (レス) id: be5118262c (このIDを非表示/違反報告)
えふあさん - 大学生さんのヤンデレが見事わたしの性癖だったのですごい好きです…!ほかの子達のヤンデレも読んでて楽しかったです!! (1月15日 20時) (レス) id: 1f387bf1d2 (このIDを非表示/違反報告)
バニー芳一 - 碧花さん» 読んでいただきありがとうございます!なかなかない構成ですが、挑んで良かったです (1月13日 23時) (レス) id: e63de7a269 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バニー芳一 | 作成日時:2023年8月4日 11時

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