企み ページ22
一週間が経ってようやくハリーの腕が完治した。
その間に一年生のコリンが石にされた。
フィルチさんの猫、ミセス・ノリスと同じ症状。
学校中どこに行ってもその話で持ちきりだった。
グリフィンドールの談話室でも、話題は秘密の部屋について。
「継承者の敵って誰のことなんだろう。そもそも継承者って…」
「考えてもみろよ。マグル生まれを嫌ってるのは誰だ？」
「まさか、マルフォイのことを言ってるの？」
レポートを取りに部屋へ戻る途中、ハリー、ロン、ハーマイオニーがそんな話をしていた。
しばらくその場を離れていた間に、ポリジュース薬でマルフォイから直接聞き出そうという話になっていた。
翌日の魔法薬学の授業で大きな騒ぎが起きた。
膨れ薬の調合中、いつもどおり隣に座っていたレイが私に杖を当てて何か唱えたとき、斜め後ろのテーブルから連続して爆発音が聞こえた。
教室には液体が降り注ぎ、充満した煙が晴れる頃には多くの生徒が身体を腫らして苦しんでいた。
「A、かかってない？」
『うん…レイのおかげ…？』
「よかった」
教室内の混乱を意に介さず、レイが静かに問いかける。
爆発の起こったテーブルからかなり近かったにもかかわらず、彼女も私も全く薬品を浴びていなかった。
『スネイプ先生が使ってるぺしゃんこ薬…似たのが家にあった気がする』
「……効力が強すぎるから取扱注意だけどね」
被害を受けた生徒が思いのほか多く、スネイプ先生はストックの薬まで持ち出していたが、数が足りそうにない。
休みの間に整理した倉庫を思い出し、携帯しているポーチに手を入れる。
先生がそばを通ったとき、軽くローブを引っ張るとすぐに気づいてくれた。
「！ガルシア、君も――」
『いえ…薬が足りなければ、これ使って下さい。一滴で効きます』
「これは…？………ありがたく使わせてもらう」
薬を浴びたと思ったのか、少し慌てる先生に薬瓶を手渡す。
先生は栓を開けて中身を確かめたあとで他の生徒の元へ向かった。
「犯人が判明した暁には、二度と騒ぎを起こそうなどという気にならぬよう厳罰を科す。…………なぁポッター？」
騒ぎが収まったあと、先生は全員をくまなく睨んで低く呟いた。
最後にハリーを鋭く刺すことも忘れず。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2022年11月15日 19時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年3月15日 19時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
coco - ここまですごく楽しく読ませて貰いました！スネイプ先生との絡みが尊すぎて苦しかったです🥰続き楽しみにしてます！ (2021年12月3日 2時) (レス) @page30 id: 9b0efb3521 (このIDを非表示/違反報告)
栄衰(プロフ) - レナータMRさん» ありがとうございます。更新がんばります〜！ (2021年7月26日 0時) (レス) id: 783b6bafb2 (このIDを非表示/違反報告)
レナータMR - とっても面白い作品ですね！続きを楽しみにしています！！ (2021年7月20日 8時) (レス) id: f76b976aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栄衰 | 作成日時：2021年6月22日 22時
