書店にて ページ2
『ここに来るのも久しぶりだね！相変わらず人が多くて楽しい……』
「ここは特に多そう」
教科書リストを見ながらダイアゴン横町を歩く。
活気のある店が並んでいるが、書店の前にはものすごい人だかりができていた。
店内からは自信に満ちた男性の声と多くの女性たちの黄色い声が聞こえる。
「………そして幸運にもハリー・ポッターは私の著書すべてを………」
『いまハリーって言ってなかった？』
「店の中が見えないけど……いるかもね」
しばらく店の外で待っていると、ヘロヘロになったハリーが出てきた。
両手に抱えきれないほどの分厚い本を持っている。
手を振りながら駆け寄るとようやく笑顔を見せてくれた。
「A！レイ！久しぶり…！元気だった？どうして手紙を――」
「ふん、お偉いポッター。少し買い物に行くだけでもこの騒ぎか。さぞ良い気分だろうな」
ハリーの言葉を誰かが遮った。
見上げると書店の二階からゆっくりと降りてくるマルフォイ君。
『マルフォイ君も、久しぶりー！元気だった？』
「……あ、あぁガルシア……」
「久しぶり」
「あぁ」
ハリーの正面に立ち、さらに何か言おうとしたところで私も声をかけた。
一瞬目を見開き、気の抜けた返事をした。
続けてレイも声をかけ、返事をしたマルフォイ君は後ろを気にしていた。
いつの間にいたのか、彼の後ろにはステッキを携えた長身の男性が立っていた。
マルフォイ君と同じプラチナブロンドの長髪を耳の下あたりで緩く結んでいる。
「ドラコ。挨拶は済んだのか？………こちらは」
ゆるりとした動作、言葉、話し方、服装。どこを見ても上流階級の紳士のようだったが、視線はハリーから外すことなく鋭く威嚇しているようだった。
その彼の目がふいにこちらを向いた。
「父上、こちらレイ・ガルシアとA・ガルシアです。……僕の父だ」
名を呼ばれ会釈するレイにつられて勢いよく頭を下げる。
「ルシウス・マルフォイ。二人ともドラコからよく話を聞いてるよ。
特に君……Aは……グリフィンドールなのに」
ファーストネームをいきなり呼ばれ、驚いて彼の顔を見ると彼も私を見ていた。
そのまま数秒間美しい薄青の瞳に見つめられる。
「……父上」
小さく呼ぶマルフォイ君の声で、彼はようやく私から目を外した。
ゆったりと握手を交わした後で書店へ向かう父子を見て、買い物がまだだったことを思い出す。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2022年11月15日 19時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年3月15日 19時) (レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
coco - ここまですごく楽しく読ませて貰いました！スネイプ先生との絡みが尊すぎて苦しかったです🥰続き楽しみにしてます！ (2021年12月3日 2時) (レス) @page30 id: 9b0efb3521 (このIDを非表示/違反報告)
栄衰(プロフ) - レナータMRさん» ありがとうございます。更新がんばります〜！ (2021年7月26日 0時) (レス) id: 783b6bafb2 (このIDを非表示/違反報告)
レナータMR - とっても面白い作品ですね！続きを楽しみにしています！！ (2021年7月20日 8時) (レス) id: f76b976aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：栄衰 | 作成日時：2021年6月22日 22時
