検索窓
今日:4 hit、昨日:16 hit、合計:29,198 hit

さみしい夜を半分僕に預けて欲しい ページ8

倒れたのはちょうど昼休みで、Aは放課後までずっと眠ってた。



俺が「意識ないんとちゃいますか。なんかの病気とか」って慌てると


保健の先生は「んー…あぁ寝不足と栄養不足やわ。起きたら野菜ジュースかなんか飲ませな」と言われて拍子抜け。


でも、大事に至ってなくてほんま良かった。




俺は暢気な顔して寝てるAを見ながら「アホ、アホ」って何回も毒吐いた。


なんとなく、忙しくしてる理由はわかった。




二年で副部長。三年で部長に任命されるのを快く思わんかった輩がいて、そいつらに仕事を押し付けられたり、愚痴吐かれたりしとったらしい。


周りも見て見ぬふりっていうか、自分に飛び火せんようにって誰もAを庇ってあげんかったらしい。




俺の中で後悔の渦がグルグル渦巻く。

なんでもっと早よ声掛けへんかったんや、

もっと早よ気づいたらどうにかなったんやないか、

なんで俺は好きな人が困ってる時になんも出来んかったんや。




そんなことばっかり考えてもうめちゃくちゃ自己嫌悪。

肩落として溜息を吐いた時、






「何溜息なんか吐いてるん、幸せが逃げてくで」ってAが笑った。






「………えっ、え、…起き、とったえ!えぇ!?大丈夫なん!?ちょっ先生呼んでくるわ」




俺が慌てて立ち上がるとAがか細く「あかん」って言うた。




「え、」
「行ったあかん。もう、ひとりは嫌や…」



そう言うなりポロポロ泣き出した。


俺は何回もAの前で泣いたことはあったけどAが泣いてるん見るんは初めてでどうしたらいいか分からんかった。



「お、おるどこにもいかん!ここにおる!」


そう言うとAは泣きながら天使みたいな顔して「宮くんは優しいなあ」って笑った。

うれしい日々は充分に笑いあっていたい→←ひとりぼっち迷った時はあの頃を思い出して



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
80人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 宮侑 , 稲荷崎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:五百雀 | 作成日時:2021年3月1日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。