さみしい夜を半分僕に預けて欲しい ページ8
倒れたのはちょうど昼休みで、Aは放課後までずっと眠ってた。
俺が「意識ないんとちゃいますか。なんかの病気とか」って慌てると
保健の先生は「んー…あぁ寝不足と栄養不足やわ。起きたら野菜ジュースかなんか飲ませな」と言われて拍子抜け。
でも、大事に至ってなくてほんま良かった。
俺は暢気な顔して寝てるAを見ながら「アホ、アホ」って何回も毒吐いた。
なんとなく、忙しくしてる理由はわかった。
二年で副部長。三年で部長に任命されるのを快く思わんかった輩がいて、そいつらに仕事を押し付けられたり、愚痴吐かれたりしとったらしい。
周りも見て見ぬふりっていうか、自分に飛び火せんようにって誰もAを庇ってあげんかったらしい。
俺の中で後悔の渦がグルグル渦巻く。
なんでもっと早よ声掛けへんかったんや、
もっと早よ気づいたらどうにかなったんやないか、
なんで俺は好きな人が困ってる時になんも出来んかったんや。
そんなことばっかり考えてもうめちゃくちゃ自己嫌悪。
肩落として溜息を吐いた時、
「何溜息なんか吐いてるん、幸せが逃げてくで」ってAが笑った。
「………えっ、え、…起き、とったえ!えぇ!?大丈夫なん!?ちょっ先生呼んでくるわ」
俺が慌てて立ち上がるとAがか細く「あかん」って言うた。
「え、」
「行ったあかん。もう、ひとりは嫌や…」
そう言うなりポロポロ泣き出した。
俺は何回もAの前で泣いたことはあったけどAが泣いてるん見るんは初めてでどうしたらいいか分からんかった。
「お、おるどこにもいかん!ここにおる!」
そう言うとAは泣きながら天使みたいな顔して「宮くんは優しいなあ」って笑った。
うれしい日々は充分に笑いあっていたい→←ひとりぼっち迷った時はあの頃を思い出して
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作者名:五百雀 | 作成日時:2021年3月1日 16時