お祓いに行ったら化け狐に憑かれたころんくんの話

伍 ページ5

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ぱっと見人間だがよくよく見てみると狐の耳も尻尾もはえている。

彼女が呼吸をするたびに尻尾が上下に揺れているのでそれが作り物ではないことを示している。

黄金色の髪の毛が朝日を浴びてきらきらと輝いている。

長さは、だいたいショートくらいだろうか。

紅と白の巫女装束のようなものを見に纏っている。
そして可愛い。


一体彼女は何物だろう。もしかして自分が昨夜連れ込んだのだろうか。いやそれはない。昨日は早く寝た筈だ。


まだ若干寝ぼけ眼なもので顔をよくみるために近づいてみることにした。


彼女の顔に自分の顔を近づけるようにして。

側から見たら僕が彼女を襲っているように見えなくもないが生憎ここには自分とたぴちゃんと不思議な彼女しか居ない。




彼女の顔を覗き込んでいたその時。

長い睫毛がぴくりと動き、もぞもぞと彼女が動き出しぱっと顔を上げた。当然真上にある僕とぶつかる訳で。

ごつん。

おでことおでこがぶつかり合う。決して唇と唇ではない。


「うわっ！」

「いてっ！」


彼女はおでこを抑えたままぱっと立ち上がりぴっと姿勢を正して叫んだ。


「あっ！すみません！ご主人様っ！」


ご主人様。彼女は僕のことをそう呼んだ。一体何故。どこかのゲームのようだ。ケモミミ美少女とかまさにその通りすぎて逆に笑えてくる。


そう言って立ち上がりこちらに向き合う彼女は僕より少し小さい。動くたびにちりん。ちりん。と音を立てている。どうやら首に鈴を結びつけているようだ。

どこかで聞き覚えが、なんて記憶を探る。

思い出した。昨日やけに耳についたあの音だ。

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