54日目 ページ25
ＮＯside
「ポートマフィアの首領と社長が
襲われたらしいッス」
「それはそれは大変じゃ」
「大丈夫でしょうか？
私たち必要そうでしたら呼んでくださいね」
暗闇の中電話している声だけが響く
此処は何処だろうか、
まわりには誰もいない。
相談に丁度良い場所だ。
「今のところ心配なさそうなんですけどね、
少し厄介なことになってまして。」
「ほぅ、厄介なことって何じゃ？」
「江戸川Aが敵側についたそうです。」
「例の魔人の処ですか。」
「Aが敵だと終わりじゃの」
この部屋にいる人物は息を飲んだ。
「彼女を、知っているのですか」
「そりゃ知ってますよ。
私たちの親、いや元祖と言うべきでしょうか」
江戸川Aの過去を知っている人物。
その全てを知っているのはとても少ない。
森鴎外や太宰治ですら知らないだろう。
そんな数少ない人物とは。
「そうなんですね…そういや彼は？」
「またよく分からない行動をしていますよ」
全員が苦笑いをする。
「Aが全力を出すならば
私たちが必要じゃな」
「何言ってるんですか、私たち負けますよ」
「今まで失敗したことないッスよ？」
「彼女を侮ってはいけませんよ」
江戸川Aは謎に満ちている。
そもそも異能が異能だから
姿すらも謎だ。
彼女の行動も全く読めない。
魔人こと、ドストエフスキーも。
実の家族である江戸川乱歩も、江戸川モモも。
太宰治と中原中也と江戸川乱歩は
Aを取り返すために全力で探すだろう
みんなから好かれている自覚のない
Aはどう行動するだろうか。
組合は探偵社とポートマフィアが倒した。
しかし、これは共同戦線している場合では無い
なのにAを見つけるまで
太宰治と中原中也は共に行動する。
敵なのに、だ。
これは江戸川乱歩の作戦なのか、偶然か。
「これは、長い戦いになるでしょう」
どちらがどう行動するかはわからない。
しかし、組織のトップが攻撃された今
既に歯車は回り始めている。
Aを手に入れることが出来るのは
ポートマフィアか、武装探偵社か、鼠か。
「そうですね。私達は見守りましょう。」
この部屋にいる人物は笑みを浮かべていた。
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作者名：ゆーき | 作者ホームページ：
作成日時：2018年12月25日 21時
