9話 ページ10
『殺して、私を。』
目を見開く彼。
『私にとって生きることは、それ自体が苦痛なの。』
生きたいと、思ってしまうことは余計に。
自分の中で、死にたいという想いと、生きたいという想いがせめぎ合ってしまうから。
＿＿＿＿ゾッ
『ッ！！』
唐突な殺気に反射的にその場を飛びのいていた。
＿＿＿キンッ
大浴場のタイルに青い刀がぶつかり、硬質な音を立てる。
？「はっ、一丁前に“殺して”だなんて言ってた癖に俺の攻撃は避けるんだな。」
青い長髪の男。
ﾌｪ「ちょっとボスキ。ルカスさんに優しくしてあげてって言われてたよね？」
名前はボスキ・アリーナス。
ボ「はぁ、フェネス。時には厳しくするのも優しさだ。」
そして彼は私を見やり、一言。
ボ「お前、本当に死にたいのか？生きたいとは全く、思っていないのか？」
『・・・ッ。』
私は答えられない。
私は、死にたい。
でも同じくらいに強く、生きたいと思ってしまう。
失いたくない、傷つきたくない。
私は、生きているべきじゃない。
だから、死にたい。
でも、
私は、生きていたい。光を掴みたい。
こんなところで、終わりたくない。
漠然と、でも強く。
そう思ってしまう。
相反する二つの気持ちがぶつかり合って、余計に苦しい。
ボ「答えられないんだろ？」
彼が私に一歩近づく。
ﾎﾞ「お前はまだ生きていたいんだろ？」
私はその場を動けなかった。
彼の手が伸びる。
『ッ』
思わず身を固くして、目をぎゅっとつぶる。
＿＿＿ポン
頭に何かが乘る感触。
恐る恐る目を開ける。
ボ「ずっと独りだったのに、ここまで頑張ってきたんだな。」
私の頭に手を乗せ、不器用に笑うボスキ・アリーナス。
『・・・ぁ』
声にならない声。
ボ「独りなのに、独りじゃ背負いきれないものを背負ってきたんだな。
きっと、一人で色々なことを思って、感じて、自分が何なのかも、何処に居ればいいのかも、如何すればいいのかも、このまま生きていていいのかも、何もわからないまま、手探りで今まで生きてきたんだろ？」
よく頑張ったな、と不器用に頭を撫でられる。
心が、軽くなった気がした。
ボ「でもな、それは独りなら、の話だ。仲間が居るのと居ないのとじゃ、居場所があるのかないのかじゃ、話は全然違う。」
『・・・居場所？』
それは闇に沈む私にとって、一筋の光の様な言葉。
ボ「あぁ。居場所っていうのはな、周りの優しさがあって、初めて手に入れられるものなんだぞ？」
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闇桜 - 文哉さん» あ！！ありがとーーー！！！ (2月16日 21時) (
レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
文哉 - めちゃくちゃおもしろいー (2月16日 21時) (レス) id: 914ed8dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - ルンバを食べるさん» か、神？！？！あ、ありがとうございます…！！めっちゃ嬉しいです！本当にこの作品へのコメなのか？！？！って私の脳内は大荒れですww今のところライト感がないですけど、これからも元気になってもらえるように頑張りますね！！ (2月16日 15時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバを食べる(プロフ) - 神…ですか、？読んだだけで元気100倍あそぱそまそになれるなんて神ですよね。神ですよ。 (2月15日 20時) (レス) @page29 id: 7a5ced0b99 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - 優月さん» え待ってありがとうございます！！めっちゃ嬉しいです！！頑張りますね♡！！ (1月29日 22時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：闇桜＠非ログの民 | 作成日時：2023年12月12日 1時
