7話 ページ8
ごしごし、あわあわ、ざぱー
・・・・・・。
「えーっと。ごめんね。こんなことになっちゃって。」
湯気が漂う広い大浴場。
私は、片眼鏡をかけた男に髪を洗われていた。
本当に、どうしてこんなことになってしまったのか。
遡るは数十分前_____。
「♪(暗黒微笑)」
ルカス・トンプシーの笑顔で、自分に拒否権がないことを悟った私は大人しくデビルズパレスに連行された。
そして、
in デビルズパレス
「おかえりなさい。ルカスさん、ナックさん。・・・って、そちらの方は・・・?」
宝石のような美しい瞳をした男。べリアン・クライアン。
彼は、ルカスに私の説明を受けると私を驚いたように見つめる。
そして、
「そうですね・・・・。では、まずお風呂に入ってもらって、ロノ君にご飯を作ってもらいましょうか♪あ、あとフルーレ君に服も作ってもらった方がいいと思うんですけど・・・。」
いや、なんでそうなるんだ?
しかし、話はどんどん進んでいき・・・。
「あ、フェネス君。丁度いいところに。」
丁度、傍を通った片眼鏡の男を呼び止め、事情を説明するべリアン・クライアン。
という感じで、またまた私はお風呂に連行された。
フェ「ここが大浴場だよ。」
『え・・・。』
な、なにこれ・・・・。
よくわからないものがある。
あの組織にもお風呂はあったが、あるのはお湯をためた大きなプールのような所からバケツにお湯を汲み、頭から被るだけだった。
いや、よく見ると見覚えがある。
きっと、組織に売られる前までに使ったことがあったのだろう。
もう、あまり覚えていないが。
フェ「あの・・・。」
私がずっと固まっていたからか、おずおずと声をかけてきたフェネス・オズワルド。
『?』
何事かと彼を見ると、
フェ「もしかして、お風呂の入り方わからない?」
困った様に眉尻を下げた彼と目が合った。
・・・・・。
仰る通りでございます。
そして、話は冒頭に遡る。
ごしごし、あわあわ、ざぱー
フェネス・オズワルドが私の髪の毛を黙々と洗う。
大きい背格好からはあまり想像がつかない優しい手付き。
ねぇ、どうして?
どうして
一体、どうして・・・・・・。
ざぱー
髪の毛を洗い流される。
あぁ、私のこの疑問も一緒に流れてくれたらいいのに、なんて。
多くを望みすぎね。
今、生きていられるだけで、十分に贅沢なことなのに。
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闇桜 - 文哉さん» あ!!ありがとーーー!!! (2月16日 21時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
文哉 - めちゃくちゃおもしろいー (2月16日 21時) (レス) id: 914ed8dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - ルンバを食べるさん» か、神?!?!あ、ありがとうございます…!!めっちゃ嬉しいです!本当にこの作品へのコメなのか?!?!って私の脳内は大荒れですww今のところライト感がないですけど、これからも元気になってもらえるように頑張りますね!! (2月16日 15時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバを食べる(プロフ) - 神…ですか、?読んだだけで元気100倍あそぱそまそになれるなんて神ですよね。神ですよ。 (2月15日 20時) (レス) @page29 id: 7a5ced0b99 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - 優月さん» え待ってありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!!頑張りますね♡!! (1月29日 22時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇桜@非ログの民 | 作成日時:2023年12月12日 1時