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12話 ページ14

ルカスside

『セーレと申します。貴方達を傷つけようとしてしまったこと、本当にごめんなさい。おこがましいことだとわかっています。でも、私にここで生きることを許してくれますか?』

私達の目の前で深々と頭を下げる少女。
彼女の白銀の髪が肩を滑り落ちる。


“貴方達に無礼を働いたこと、お詫びいたします。私のことは、ここで殺してもらっても構いませんし、見逃してくれても構いません。どうせこのまま帰っても甚振り殺されるだけなので今ここで殺してくれる方が嬉しいですけど。まぁ、貴方達の好きなようにして下さい。”

彼女の光のない、何処か泣きそうで、全てを、生きることさえも投げ出してしまった、迷子のような目を思い出す。

でも
もう大丈夫みたいだね。

顔を上げた彼女の、セーレちゃんの生きる希望を宿した瞳と目が合った。

「フフッ♪」
思わず笑みが零れた。

光を望むのに、死にしか救いを求められなかった少女。
でも、彼女は変わった。
ちゃんと救えた。
ずっと独りだった彼女を。

「勿論。私はもう何も気にしていないからね。デビルズパレスにようこそ。君はもう、デビルズパレスの一員だよ。私達のことは家族と思ってもいいからね♪
これからよろしくね、セーレちゃん。」

彼女が僅かに目を見開く。
そして、ほんの僅かに、本当に少しだけ、口元を綻ばせた。
きっと私以外、本人すらも、気が付いていないのだろうけれど。
その、ほんの僅かで不器用な笑みは、とても綺麗に私の目に映る。
その笑顔を誰にも見せたくない、と思ってしまった自分には気付かなかったフリ。

“家族”
きっと彼女にとって、良くも悪くも強い意味のある言葉。
ずっと独りだった彼女にとって、家族や居場所というものは、何よりの羨望の対象。
そして
きっと彼女は自身の家族にいい想いを持っていない。
何故なら彼女はそのことについて全く話さないからだ。
もし、思い入れがあるのなら、たとえその人達が亡くなっていてもその人達の話をするはず。
だから
きっと彼女はずっと長い間、独りで頑張ってきたのだろう。
確かに悪魔と契約した私達が生きている時間と比べたら、彼女の孤独だった時間は大したことはないのかもしれない。
でも
彼女ぐらいの年齢は何気に人に甘えたい年頃なのだ。

人生は何が起こるかわからない。
それでも
貴方の居場所に、拠り所に、なれたなら。



これが
悪魔執事と殺しの少女が初めて出会った時のお話


  第一章〜光を求め死に救いを求める少女〜fin〜

色々(本編ではないですが、読んでくれると嬉しいです)→←11話(最後の方若干修正)



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闇桜 - 文哉さん» あ!!ありがとーーー!!! (2月16日 21時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
文哉 - めちゃくちゃおもしろいー (2月16日 21時) (レス) id: 914ed8dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - ルンバを食べるさん» か、神?!?!あ、ありがとうございます…!!めっちゃ嬉しいです!本当にこの作品へのコメなのか?!?!って私の脳内は大荒れですww今のところライト感がないですけど、これからも元気になってもらえるように頑張りますね!! (2月16日 15時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバを食べる(プロフ) - 神…ですか、?読んだだけで元気100倍あそぱそまそになれるなんて神ですよね。神ですよ。 (2月15日 20時) (レス) @page29 id: 7a5ced0b99 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - 優月さん» え待ってありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!!頑張りますね♡!! (1月29日 22時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:闇桜@非ログの民 | 作成日時:2023年12月12日 1時

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