10話 ページ11
ボ「居場所っていうのはな、周りの優しさがあって、初めて手に入れられるものなんだぞ?」
『え・・・?』
ボ「お前がルカスさんを殺そうとした理由は何となくわかってる。組織に使われてたんだろ?」
『ッ・・・・』
牢屋のようなところに入れられ、怯えた目を向ける子供たちの姿が目の端をちらつく。
ボ「そう、お前は使われてた、利用されてたんだ。あそこは、お前の居場所じゃねぇ。」
『え・・・・』
あの組織は、私の居場所ではなかったの?
はぁ、と頭上から溜め息が聞こえてくる。
私が顔を上げると、困ったように頭をガシガシと搔くボスキ・アリーナス。
ボ「ったく。だからな、あの組織は確かにお前の能力を欲していたのかもしれない。でも、だからといって、あそこがお前の居場所だったかと言われれば、それは違う。」
わからない。
ボ「お前はあの組織にいつでも、どんな状況でも、笑顔で帰ってくることができたか?」
『そ、れは・・・・』
“生きていくためには成果をあげるしかない”
“まだまだ、使えることを証明しなければならない”
ボ「俺たちが居場所の暖かさを教えてやる。だから、そんな目をして、殺して、だなんて言うな。お前はまだ若いだろ。まだ間に合う。踏み外した
『ッ!!』
それって・・・・
ボ「だから」
目の前の彼が口を開く。
ボ「だから、
『!』
確かに私はずっと独りだった。
でもそれも、今日で終わり。
でも・・・
『どうせ、すぐになくなるじゃない。』
大切であればある程、余計に。
ボ「はぁ。だからな、そんな簡単に消えるのが居場所なのか?嗤わせる。言っただろ。周りの優しさがあって、初めて手に入れられるものが居場所だと。仲間だと。
もし、何か理不尽な理由で引き離されても、必ず迎えに行くし、いつまでも、帰ってきてくれるまで待つ。
それが、仲間で、居場所だろ。」
『ぁ・・・』
まるで、目の前に光り輝く一本の道が浮かび上がってきたかのようだった。
そんな私を見て、柔らかく目を細めた彼は私に手を差し出す。
ボ「ほら、濡れたままでそんな恰好してると風邪ひくぞ。」
毛先から滴り落ちた水滴が、私の着ていたキャミソールワンピースを濡らしていた。
ボ「じゃあ、早く体洗って出てこい。行くぞフェネス。」
フェ「うん。」
大浴場に残った私は体を洗う。
流れていく泡が、輝いて見えた気がした。
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闇桜 - 文哉さん» あ!!ありがとーーー!!! (2月16日 21時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
文哉 - めちゃくちゃおもしろいー (2月16日 21時) (レス) id: 914ed8dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - ルンバを食べるさん» か、神?!?!あ、ありがとうございます…!!めっちゃ嬉しいです!本当にこの作品へのコメなのか?!?!って私の脳内は大荒れですww今のところライト感がないですけど、これからも元気になってもらえるように頑張りますね!! (2月16日 15時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバを食べる(プロフ) - 神…ですか、?読んだだけで元気100倍あそぱそまそになれるなんて神ですよね。神ですよ。 (2月15日 20時) (レス) @page29 id: 7a5ced0b99 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - 優月さん» え待ってありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!!頑張りますね♡!! (1月29日 22時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇桜@非ログの民 | 作成日時:2023年12月12日 1時