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第一章〜光を求め死に救いを求める少女〜1話 ページ1

薄暗い部屋。
周りからは幼い子供たちのすすり泣く声がする。

カツ、コツ、カツ、コツ

足音がする。
すると、先程まで聞こえていた子供たちのすすり泣くような声も、怯えたように消える。

カツ、コツ

私の部屋の前で止まる足音。
予想はしていたが、外れていて欲しかった。

「セーレ。」
部屋の扉が開き、男が私の名前を呼ぶ。
私の名前はセーレ。
この名前をつけた私の親は、私とずっと一緒に幸せな日々を送ることを、信じて疑わなかったのだろうか?
・・・。
それはないな。
だって、私は望まれて生まれてきたわけじゃない。

「いいか?お前の次の仕事は悪魔執事の暗殺だ。」
不意に聞こえてきた仕事の内容に意識を戻す。
私の、いや、私たちの仕事は”殺し”だ。
ここは、攫われたり、売られたりした子供たちが日々辛い訓練や実験に耐えながら、仕事として、訓練や実験の結果観測として、依頼された殺しをする組織。
その状況は過酷で、この組織で生きていくためには、成果を挙げるしかない。
まだまだ、使えることを証明しないといけない。
私のように。

『・・・。』

生き残るためならば、殺しをためらってはならない。
でも、ほとんどの子供たちは人を殺せない。
わかってる。
私が異常であることぐらい。
私は人を殺すことに躊躇いはない。
残念だったな、とかは思っても、それは殺さない理由にはならない。
慈悲もなく殺す。まるで人形のように。
だって、私はまだ生きていたい。
こんなところで諦めて死にたくない。
この薄暗い部屋の向こうにある光を掴みたい。
望まれずに生まれてきてしまった自分へのせめてもの手向けとして。
“貴方なんて生まなければよかった。”なんて、ほざいてきた両親へのせめてもの悪足掻きとして。

人を殺すことなんて許されない。
許して、だなんて思わない。
自分がどれ程罪深いかも、わかっているつもり。
それでも、人を殺しても何も思わないのは、
生き残るための防衛本能からなのか。
それとも、

それが私の本質だからか。

2話→



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闇桜 - 文哉さん» あ!!ありがとーーー!!! (2月16日 21時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
文哉 - めちゃくちゃおもしろいー (2月16日 21時) (レス) id: 914ed8dfa2 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - ルンバを食べるさん» か、神?!?!あ、ありがとうございます…!!めっちゃ嬉しいです!本当にこの作品へのコメなのか?!?!って私の脳内は大荒れですww今のところライト感がないですけど、これからも元気になってもらえるように頑張りますね!! (2月16日 15時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバを食べる(プロフ) - 神…ですか、?読んだだけで元気100倍あそぱそまそになれるなんて神ですよね。神ですよ。 (2月15日 20時) (レス) @page29 id: 7a5ced0b99 (このIDを非表示/違反報告)
闇桜 - 優月さん» え待ってありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!!頑張りますね♡!! (1月29日 22時) (レス) id: 479adc5629 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:闇桜@非ログの民 | 作成日時:2023年12月12日 1時

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