勘違いの一方通行:syao ページ4
☆息をするように学パロです。
最近幼なじみのシャオロンがつれない。
幼い頃は彼に『好き』と言えば俺も、と笑って返してくれていた。しかし今はすぐに顔をそらし、何も返してくれなくなってしまった。
ということで、シャオロンと仲がいいゾムに相談することにした。
『どうすればいいと思う？ゾム』
「いや、俺に言われてもなぁ。というかお前ら付き合っていたんじゃなかったん？」
『違うよ…』
『好き』と言っていたのは遊びや親愛の延長線上だ。それがだんだん本気になってしまったので、実質私の片思い、そしてエゴである。何回も繰り返してきたことで慣れたものだと考えていたんだけどなぁ。
「そしたら…【押しても駄目なら引いてみる】を実践してみたらどうや？」
『好きって言うのを止めればいいってこと？』
「せやで」
頑張れ、とゾムから珍しくエールを貰った。うん、と返すとへらりと笑っていた。
次の日からシャオロンに会っても、あまり会話をしないよう心掛けて過ごした(喋ると『好き』と言いかねないからだ)。最初は訝しげに接されていたけども、日にちが経てば当たり前のようになった。
『やっぱり私の片思いだったんだ』
「何かごめんな、俺のせいで…」
『ううん。むしろ現実知れてよかった』
傷心した私を見かねて、ゾムが学校の屋上に連れ出してくれた。
並んでフェンスの近くに立って夕焼けを見てるとなんだか泣けてくるような気持ちになってくる。
「でもな、最近シャオロン不機嫌やねん」
『そうなんだ』
「…この意味、分かるか？」
『えっ』
私がどういうこと、と聞き返す前に勢いよく屋上のドアが開いた。つかつかと歩いてくる音が聞こえたと思ったら腕を掴まれる。そしてぐいっと引っ張られて歩かされた。屋上を出る瞬間振り向いたらゾムが「頑張れ」とまた言っていた。…前とは違う意味に聞こえたのは気のせいだろうか？
長いので二話に分けます。
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作者名：*RINGO* | 作成日時：2019年1月6日 23時
