蛇竜は番犬に恋をする2 (ページ45)

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第八十七魔ページ45

「兄様、くれぐれも使い魔達を刺激する様な事を控えてくださいね。」

「へーへーわかっとりますよぉー。仕事は午後からだし大丈夫大丈夫。」

ヘラヘラ笑う兄様に眉間にシワが寄る
本当に大丈夫だろうか……

「本当ですか……？」

「はーいはい。お兄ちゃんを信じてさっさの学校行けー。」

(信用ならん……！)

背中を押され半ば追い出される形で私は学校に向かった
しかしもう後には引けない
今日は前夜祭
必ずや成功させ、特賞を取るのだ

ーーーーー

「では説明します。作戦名は即撃必勝。狙うは学校中央広場の注目。皆が集まり前夜祭終了と同時に鳴る本祭開始の鐘、これが鳴り終わった瞬間に花火を打ち上げる。要はスタートダッシュで出し抜いて後の本祭は小さめの花火を定期的に打ち上げてアピールする……と、以上が概要になります。」

「「おぉー。」」

騒がしい前夜祭の中、私達は作戦の最終チェックを行っていた
流石アスモデウス
作戦に抜かりはないようだ

「まさに即撃だね！」

「ハイ！打ち上げやりたいー！」

「落ち着けウァラク。」

「ここから中央広場は少し遠いですが、音と光で充分目立つ筈です。夜ですし。組み立ては万全。発射もスムーズに点火五秒でうち上がるようになってます。点火は私が火種を渡すので入間様が導火線に火を……」

「こう？」

「そうそうそうやって……」

……ん？

「ついた。」

見ればウァラクが導火線に火をつけていた
……何してるんだウァラク！

「「ひ……！」」

「馬鹿者早く消せ！」

「水っ水っ！」

「ま、まずい！」

私達は慌てて火を消そうとした
が、点火五秒という短時間が災いし最早とめる事も出来ない

「「うち上がる……！」」

身構え衝撃に備える
折角手間隙かけて作った花火だというのに……！
が、聞こえてきたのはポヒュンという府抜けた音だけ

「……っ？」

「え？」

「うち上がらない……？」

アスモデウスが恐る恐る中を確認する

「！空砲……！」

「助かったー……！」

皆取り敢えず肩の力がぬけ座り込む
ウァラクの奴驚かせおって……

「はっ！何かやらかした！？」

「お前という奴は……！玉が入ってないならそう言え！」

「ごめんなさい。でも私知らないよー？」

「何？」

「？しかしちゃんと中に玉を入れた筈……」

「えっ、じゃあ……玉はどこに……」

玉の存在を知っているのは我々の他キリヲ先輩以外にあり得ん

「キリヲ先輩が持っているやもしれません。探しに行きましょう。」

「う、うん！」

最近キリヲ先輩はよく姿をくらますが一体どこで何をしているんだ？