蛇竜は番犬に恋をする2 (ページ40)

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第八十二魔ページ40

「パジャマ！枕！その他諸々！さぁレッツお泊まり！」

「喧しい！」

魔具研究師団室にて
お泊まりが余程嬉しいのかウァラクはもう布団も敷いてなんならパジャマまで着ていた
どんだけ嬉しいんだ

「もう布団まで敷いて……」

「私真ん中！魔くら投げ！悪魔怪談！」

「するか！」

「騒がしい奴め……」

「その前に花火の実験しないと……！？」

突然の爆発
出所はわかっている

「大丈夫ですか……？」

「キリヲ先輩！」

「やーまた失敗してもうたわー……もう少しやと思うんやけど……」

「それより！早く手当てを……！」

「入間様、それについては問題ありません。」

「え？」

「ああケガはしてへん……って、触ったほうが早いな。おいでおいで、手出してみ。」

キリヲ先輩は入間様を手招きする
入間様が恐る恐る触れればそこには透明な壁ができた

「壁！？」

「僕の家系能力断絶(バリア)。この魔術のお陰で魔力は少のうても今まで大怪我せんでこれたんよ。花火の反動と驚きで吐血はするけどな。」

「あぁっ！」

「するのか……」

「だからあまり無理はしないでください。……今回は私が側にいられるので魔力補助をできますが……」

「ほんま助かるわぁ。ハドラちゃんは家柄もええし魔力の質も高い。首輪にも少し貯めておけるから安心や。」

「だからと言って無理しないで下さい。」

「ほにゃー……」

私はみょんみょんとキリヲ先輩の頬を引っ張る
相変わらずゆるゆるだなこの人のほっぺ

「しかしやっぱ難しなあ。見たこと無いもん作るのは……」

「ですよね。僕しか実物知りませんし……何か見本でもあれば……あっ！」

「また何か思いつきましたか？」

「うん！僕ちょっと行ってくるね！」

そう言うと入間様は笑顔で部屋をあとにした

「入間君はほんま働き者やなあ。」

「本当に……さて、魔力をいれますよキリヲ先輩。」

「おおきになあ。」

私はキリヲ先輩の首輪に魔力を貯める
この首輪は魔力を出すこともいれることもできる
故に結構便利だ

「これでよしと……」

「ハドラちゃんの魔力があれば百人力や！あんがとな。」

「言い過ぎですよ。」

キリヲ先輩は優しく笑う
まぁ、そんな所が好きだったりするのだが……

「……ん？」

ふと、足許に違和感を覚える
何かがいる様な……
私はぎこちなくふり返った
それじゃないと信じたい
が、現実は無情である
足許に、ゴ鬼ブリがいた

「虫ぃ！？」

「おわぁっ……」

「イヤイヤイヤ来ないで来ないでぇ！」

たまらず私はキリヲ先輩にだきついた
後ろに隠れながら毒の棒を振る
昔から虫は嫌いなのだ