蛇竜は番犬に恋をする2 (ページ35)

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第七十八魔（夢主＆カルエゴside）ページ35

これは一種の覚悟とケジメだった
体については周りの事を考えもっと慎重にならなければならないと言われれば何も言い返せはしないし、何よりカルエゴ卿のタイプでなければ気分を害する種でしかない
だからここで嫌ってくれたなら私は全てを諦めただろう
が、カルエゴ卿は言った

「嫌うも何も、お前はまず私のクラスの生徒だ。必要最低限の好意は持たねばなるまい？」

「っ……」

それはつまり生徒だから好意的に見てくれているというだけであってもし生徒じゃなかったら……
覚悟を決めていたとは言え嫌な汗が流れる

「が、しかしだ。お前は私がこれまで担当してきた生徒の中でも群を抜いて優秀で素行の良い生徒だ。……その……本日の事も、学食堂の出来事も、元はといえば私のミスが原因だ。だから謝罪する必要はないし気にもやまなくていい。ただ……貴様は全てを自分のせいにして自分の中で自分を責める癖がある。だから教師を頼れ。私を含め、この悪魔学校(バビルス)には優秀な教師が揃っている。頼ることもまた、学校で学ぶべき手練れの一つと心得ておけ、いいな？貴様は誇り高き悪魔学校の生徒なのだから……ハドラ？」

顔が綻ぶ
胸が高鳴る
カルエゴ卿は私をずっと気にかけて下さっていた
それに群を抜いて優秀な生徒だと……！
嬉しかった
やはりカルエゴ卿は私の憧れで……愛する御方だ

「ありがとうございますカルエゴ卿……少しばかり、緊張がとけました。今後、そのアドバイスにのっとり、励んで参りますので……どうぞ宜しくお願い致します。」

私は微笑んで礼をし、教室を後にした
カルエゴ卿は期待して下さっているのだ
ならば、確実にお答えしよう
近く師団披露(バトラパーティー)がある
そこで必ずや功績をあげよう
目指すは特賞
キリヲ先輩となら確実に目指せよう
期待を胸に私は帰路を急いだ

ーーーーー

「……」

教室に残された俺は一人顔を覆ってため息をついた

(何故あんなトゲのある言い方をしたんだ俺はぁ！)

ただ一言悪かったですんだものをやや責める言い方をした挙げ句謝り方は本当に然り気無くでハドラに伝わっているか危うい！
しかも何か別の方向に転換してしまったしもうわけわからん！

(あ"ー……ハドラは俺に対して嫌悪を抱いているようには見えなかったが……それでも……)

これでは何だかやるせない
俺も何かハドラにしてやれることはないのか……？

(兎に角、あいつが頼ってくれたら全力でこたえよう。)

それだけは心に決めた