蛇竜は番犬に恋をする2 (ページ12)

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第五十八魔（カルエゴside）ページ12

「お、おお、おちついてよカルエゴ君！」

「落ち着いてなどいられるかぁ！き、きき、貴様！は、ハドラとみ、密室で一体なにしてたんだぁぁぁぁ！」

そう、それは本当についさっきの話
相も変わらず会議に出席しないシチロウに重要書類を渡しに部屋に入って目に入ってきたのはイチャイチャとシチロウと戯れるハドラだった
ハドラは少し焦りながらも弁明していたが納得いかない
何故シチロウなんだ
せめて女教師であれば納得がついたものを！

「それについては弁明するからとにかく一旦落ち着いてぇぇぇぇ！」

俺は漸く落ち着いてケルベリオンを納める
既に部屋は半壊していた

「……落ち着いた？」

「……あぁ。」

近場にあった椅子に座ると、俺はシチロウを睨み付けた

「しっかり納得のいく説明をしてくれるんだろうなぁ？ハドラの事だ……ライムに手練れを組んで貰う事も可能だったはず。それをよりによってお前に頼んだ……何かしらの理由がなければ納得できん。」

「僕だってさっき爆発寸前だったよ……いいかい？理由を説明する前に一つ報告することがある。」

「何だ？」

「ハドラちゃんの魅力度は90％だった。」

「予想を越えたか……が、まぁそんな事はいい。話をそらそうとしてるのか？」

ハドラの魅力が高いのはわかりきっていた事だ
それに今更高かった低かった言われても特に驚くこともない

「話は最後まで聞くものだよ？その……彼女もう一つ魅力度があって……一部の悪魔にはカンストする程の魅力があったらしい。」

「何っ！？」

「つまり、僕らがこんなに惚れてるのはそう言う事。カルエゴ君があんなにも惚れてるのも。」

愕然とした
まさかあいつに天性の魅了スキルがあったとは……

「で、話を戻すけど。彼女は自分に本当にそんな魅力があるのか疑問に思ってたみたいで……」

何故疑問に思うんだハドラ
まさか誰かにその品格を貶されたりしたことでもあるのか？
そんな奴等は抹殺してやるから遠慮なく言ってこい？

「それで90％も魅力があるのだから本当に魅了できるのか魔生物担当の僕に相談に来たんだ。」

「待て、魔生物といってもお前は空想生物学専攻だろ。他にも魔生物担当の教師はいたはずだ。何故貴様なんだ。」

「その……とっても嬉しいことに彼女は僕の事をとっても信頼してくれてるんだ。バラム先生にしか頼めないって……」

そう言うシチロウは頬を赤らめながら指でかいている
あの時シチロウへの書類を渡しに行かせなければ良かったと心底後悔した
何だその羨ましすぎる展開はそこ変われ

「それで引き受けたんだ……」