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第四十七魔(バラムSide) ページ49

「やぁカルエゴ君。」

「ん?シチロウか。」

たまたま廊下で仕事終わりのカルエゴ君を見つけ、僕は声をかけた

「お疲れ様。」

「あぁ。書類はちゃんと確認したか?」

「うん。でも珍しいね。君が生徒に仕事を任せるなんて。」

「まぁ……な。」

カルエゴ君は少し笑って言った

「随分と気に入ってるみたいだね。」

「別に、あのクラスの中であいつが唯一まともでキチンと仕事をこなしてくれると信頼しての事だ。」

「へー……カルエゴ君にしては珍しいね。」

僕はそう答えた
しかし、それだけが理由ではないのだろう
そもそも彼は自分の仕事はきっかり自分でこなすタイプだ
誰かに頼ったりするのがとても下手くそだから誰かに仕事を振り分けて命じる事はあっても自分の仕事を誰かに手伝って貰うなんて事、見た事も聞いた事もない
……少しカマをかけてみようかな

「まぁ君が信頼するのもわかるよ。彼女は嘘をつかない。他の生徒が怖がって逃げ出すのに対して彼女は恐れもせず寧ろ誉めてくれた。君も嘘つかないけど彼女も正直者だ。本当、一緒にいると楽しくてさ。度々あの部屋で一緒に話したりする約束もしたんだ。また話せるのが楽しみだよ。」

「なっ……」

これは僕の正直な気持ちだ
カマをかけるという名目とはいえ実際彼女といると心がホカホカするし楽しい
ずっと一緒にいたいと思う位には
カルエゴ君は驚いた様に目を見開いた
次にキッと睨んだかと思えば僕から顔を反らした

「どうしたの?」

「何でもない気にするな。」

「……もしかして嫉妬?」

「はっ……!?」

バッと此方を見てきたカルエゴ君はいつになく動揺していた
こんな顔を見るのは学生時代以来だ

「な、そ、そんな訳……」

ブーっと耳障りな音が鳴る
僕の家系魔術虚偽鈴が作動したのだ
即ちそれはカルエゴ君が嘘を吐いている事を指す
……でも本当に惚れてるとは思わなかったなぁ

「僕に嘘が通じないの知らないわけないよね?」

「う……すまん。ついとっさに……」

僕が嘘を吐かれるのが嫌いだという事を知っている彼は素直に謝った

「いいよ、気にしてないし。」

「……認めよう。俺は惚れたらしい。それも生徒にだ。……笑うか?」

「いいや。寧ろ喜ばしいね。君が誰かに好意を抱くなんて事無かったし。」

「そうか……」

カルエゴ君の顔をよく見ると青白い顔が少し紅色に染まっていた
不思議な事もあるものだとつくづく感じる

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もっち(プロフ) - はっ、、、、、!そうか、、! (2019年12月8日 8時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - もっちさん» だが忘れちゃいけない。彼女には他にも三人彼氏候補がいることを (2019年12月7日 23時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - あ、やはりそうでしたか(洗脳完了) (2019年12月7日 22時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - もっちさん» 夫婦っすよね……これは……(°▽°) (2019年12月7日 20時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - む!?見ない間に表紙が神ってる?前もうまかったけどさらに、、、夫婦かな?(洗脳) (2019年12月7日 20時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:闇鍋ソース | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/  
作成日時:2019年10月20日 0時

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