第三十四魔 ページ36
「それでは速やかに授業に向かうように。」
朝のHRが終わると私は真っ先に恥を忍んでカルエゴ卿の元へ向かった
「か、カルエゴ卿!」
「ハドラか。体調の程はどうだ?」
「は、はい!大事には至らずこの通り完全回復した次第でございます。その、カルエゴ卿自ら運んで下さったとの事で忙しい中申し訳ありません……!心より感謝申し上げます!」
私はきっちりお辞儀をする
そうだそうだサボテンの話よりもまずはその事について礼を言わなくては!
しっかりしろ私!
「まぁ、それならよかった。無理はするなよ。」
カルエゴ卿が私のことを心配してくださっている!?
まずい、既にキャパシティを越えている!
今すぐここから立ち去りたい!
じゃないと顔が緩んでしまう!
だが聞かねば……
感情をひた隠しながら私は本題にうつる
「はい!あとお聞きしたい事があるのですが……」
「何だ?」
「その、教卓に飾ってあるサボテンは……」
「あぁ、出来がとても素晴らしかったので貰ったんだ。……もしかしてやはり返してほしくなったか?」
「い、いえ!そういうわけではございません!」
私はすかさず手を振って撤回する
「その、気に入っているのですか……?」
「まぁな。私はサボテンの栽培が趣味でな。好みだったんだ。新しいのが欲しいと思っていて丁度良いと思ったんだ。」
そう言うとカルエゴ卿は口許だけだったが微笑んだ
そう、微笑んだのだ
「ハドラ?」
「あ、朝の貴重なお時間を割いていただきありがとうございました!ではこれにて!」
その場にいるのが堪えきれず私は授業塔へ走っていった
駄目だ駄目だ駄目だ
頬が緩む
口角が上がる
顔が熱い
「ハァァ……!」
私は人目につかない所で壁に背もたれ膝から崩れ落ちた
なんという偶然なのだろうか
サボテンが趣味で、かつ私のサボテンを気に入ってくださったとは……!
奇跡だ
そして微笑まれたあの表情
許されることならば写真に納めておきたかった!
いや、今この心のアルバムに深く濃く刻んだ!
これでよいのだ!
あの顔を他のやつなんかに見せてたまるものか……
「そうだ授業……」
仕切り直せ私
ここにいるのはカルエゴ卿に並ぶ高位階悪魔となりかつカルエゴ卿のお側にいても恥ずかしくないような悪魔となるため!
それまではこの心は決して周りに悟られるわけにはいかないのだ!
私は頬をはたきいつもの鉄仮面に戻ると授業塔へと向かった
授業には問題なく間に合い、その後も筒がなく時は平穏に流れた
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もっち(プロフ) - はっ、、、、、!そうか、、! (2019年12月8日 8時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - もっちさん» だが忘れちゃいけない。彼女には他にも三人彼氏候補がいることを (2019年12月7日 23時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - あ、やはりそうでしたか(洗脳完了) (2019年12月7日 22時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
闇鍋ソース(プロフ) - もっちさん» 夫婦っすよね……これは……(°▽°) (2019年12月7日 20時) (レス) id: a314e0ab78 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - む!?見ない間に表紙が神ってる?前もうまかったけどさらに、、、夫婦かな?(洗脳) (2019年12月7日 20時) (レス) id: 634ca2a9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:闇鍋ソース | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/
作成日時:2019年10月20日 0時