蛇竜は番犬に恋をする (ページ34)

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第三十二魔ページ34

「……ん？」

ボヤける視界の中、ゆっくりゆっくりと意識が戻ってくる
一番最初に見えてきたのは白い天井
そして、教師の姿だった

「良かった。目が覚めたのね。」

「モモノキ先生……ここは？」

「医務室よ。貴女授業中に倒れたの。」

そうだ
私は授業中に倒れて……入間様にもご迷惑を……

「今日の所は休んだ方がいいわ。貴女エナジードリンクとめざ魔しガム食べ過ぎたわね？確かに徹夜にきくし寝不足でもなんとかなるけど使用しすぎると一気に疲労が襲ってきて動けなくなるの。」

「申し訳ありません……」

確かに知っていたのだが少し仮眠で五分寝る事はあったし大丈夫だと思ったのだが早計だったな……
皆勤賞を目指していただけあって気分の落ち込み具合は最高だった

「酷い隈に顔色でここに来たときこっちまで青ざめたわ。」

「ご心配をお掛け致しました……後で入間様にお礼を言わなければ……」

「入間君？」

首を傾げるモモノキ先生にこちらも首を傾げる
運んでくれた者に礼を言わないなど常識外れにも程がある

「何か？」

「いえ、何で入間君に名前が出るのか不思議で……」

「だってここまで運んでくれたのは入間様では……」

「あら、ここまで運んでくれたのはカルエゴ先生だったわよ？」

「……え？」

体が硬直する

「今……何と……」

「カルエゴ先生が運んでくれたの。全く羨まし……いやいや、良かったわね。彼があんな事するなんて滅多に……ハドラさん！？」

「カルエゴ卿が私をわた、わた、私を、あ……アババ……」

私は顔を真っ赤にしてベッドにまた倒れてしまった
か、カカ、カルエゴ卿に運ばれた……だと……
何で意識が戻らなかったんだ私は
カルエゴ卿の温もりを感じられるチャンスだったんだぞクソッ！
モモノキ先生の慌てた声にも答えず私は目を回し、そのまま意識をまた飛ばしてしまった
本当に……本当に惜しい事をした

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一方その頃

「スージィ先生、このサボテンは……？」

「カルエゴ先生！ふぃ！これはハドラさんが咲かせたサボテンですよ。トゲトゲしててかっこいいですよねぇ。」

「そうですね……いい形してます。……これ、展示終わったら貰っても良いですかね……」

「ふぃ！サボテン好きのカルエゴ先生も目を見張るものがありますか！いいですよ。ハドラさんは咲かせた物を学校に寄付するかどうかの紙には寄付するに丸してましたし。」

「ありがとうございます。」

ハドラの咲かせたサボテンがカルエゴ先生に引き取られサボテンコレクションの一部にされた事をハドラは知らない