蛇竜は番犬に恋をする (ページ4)

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第二魔（入間Sideあり）ページ4

私は入学式を台無しにされた気がして気が立っていた
あの入間とやらに一泡吹かせてやりたかった
しかし、相手の技量は見定めなくてはならない
理事長の孫なのだ
それ相応の実力者の可能性が高い

(果たしてどうすればあのヘラヘラしたボンクラの実力がわかるだろうか……)

悩んでいると何やら騒がしくなってきた

「中庭で首席と特待生が殺し合いだってよ！」

「面白そう！どっちが死ぬかな！？」

(首席と！？)

首席といえば十三冠で知られるアスモデウス家の嫡子
入間が勝てるとは到底思えない

(しかし実力を見るには良い機会だな……)

入学早々決闘とは傍若無人も甚だしいと思いつつも私はギャラリーに紛れて観戦する事にした
入間はアスモデウスの火球を全て避けていた
しかし何故か攻撃しない

(何故攻撃しない？あれでは相手を侮辱するも同じだぞ。はたまた攻撃する勇気のない弱虫か……)

30分の激闘の末、二人とも膝をついた
ギャラリーのヤジによりアスモデウスはとうとうブチギレ火剣で特攻した
冷静さを失う事がどれほど戦闘において不利になるかわかってないのか彼奴は
簡単に入間に避けられた
その先には一般生徒が

(馬鹿者……！このままでは彼女のどてっぱらをぶち抜くぞ……！？)

咄嗟に飛び降りようとした次の瞬間
特待生が首席にジャーマンスープレックスをきめた

「……は？」

多大なる歓声の中私は拍子抜けした
何だ、首席の頭かちわる位の事はできるのか
少し感心しつつも私の気は治まるかといえばそれはまた別問題だ

(明日は使い魔召還の儀式。入間とは……同じグループ。何かの因縁か？)

ランクに大きく関わる大事な伝統行事
悪魔にとってランクは第一
そこで彼奴が実力を出せなければ所詮は低ランク悪魔だ
明日……明日……

(カルエゴ卿の受け持ちじゃないか！)

ボッと顔が急激に熱くなる
そうだ、明日は私にとっても重要な儀式！
私も良い結果を出さなくては！
カルエゴ卿の手前無様な姿は見せられん！

(必ずや良い所を見せなくては……！)

入間の事などその時は頭からすっぽり抜け落ち私は家路についた
しかし、この時の私は翌日心をかきみだされまくる事など念頭にも置いていなかった

ーーーーー

ゾッ

何度も感じた生命の危機
それが急に襲ってきて僕は気配のした方に顔を上げる
そこには誰もいなかったけど確かに感じた

(な、何だったんだろう……ま、まさか人間とバレたんじゃ……)

僕は人間
悪魔にとっては食糧なのだ

「と、とにかく医務室まで運ぼう……」

自分が頭をかちわった相手を抱えると僕は医務室まで走った