蛇竜は番犬に恋をする (ページ22)

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第二十魔ページ22

「貴様、ハドラだったな？よくも己の事を馬鹿などと……！」

「す、全て受け止めても意味はないだろう。耐久力はもしもの時の為にとっておくのが最善。無駄な攻撃を受け止めるなど無意味極まりない。」

「何を偉そうに……入間の従僕の分際で。」

「う……」

痛い所を突かれた
全く悔やまれるなぁ……
少し気を落としているとサブノックは入間様に突っかかった

「そんなことよりもよいか入間！先にヨドとなり魔王となるのはこの己だ！ヌシもいずれ己の前に跪くことになろう！」

「……っ……あの……ヨドってなんですか？」

サブノックは入間様の前でズッコけた
そりゃそうだ
魔界常識たる位階を知らないのだから当然
幼子でも知っている

「ヨドとは悪魔の最高位階！ヨドの中から魔界の主たる魔王が選ばれる！」

そう
しかしその席は長年空席だ
前任の魔王デルキラ様が敏腕過ぎた故にそのあとを継ぐものは中々決まらない

「己は魔王になる！その為には位階がいる！故に、己より位階が高くなりそうな奴は……全員気に入らん。」

サブノックは剣を素手で握り潰した
無駄な力を……

「それで教師に喧嘩売ってこのクラス入りだもんねー。」

「高位階を倒すのが一番の近道と思ったのでな！」

「しかし相手が悪かったな。相手はブルシェンコ先生。彼の家系魔術は半永久(ヒール)。力任せな貴様とは相性が悪いと言わざる終えない。教師に楯突くなら相性を調べておくんだったな。」

「グヌゥ……うるさぁい！」

ハァとため息をつく
全く逆ギレとはそれが魔王の器か……
これしきの挑発もっと寛容になれないのか

「しかし！ヌシは何だ！派手なのは噂ばかりで魔王の魔の字も知らぬとは！ヌシは……それでも悪魔か！？」

入間様は顔を青ざめさせる
そこへアスモデウスが割って入った

「それ以上の無礼は慎めサブノック。」

「出たなアスモデウス！入試首席！使い魔はゴルゴンスネークを召喚したと聞く！」

「あぁ……」

「だが己は水馬(ケルビー)を召喚した！足がある分お前より凄い！」

「どんな理屈だそれはっ！」

アスモデウスの言う通りである
個人的見解から言えば相手を石に変え再起不能とし、かつ火を操るゴルゴンスネークの方が水馬よりは強いと思うが……

「まぁ、特待生の従僕になった時点で己のライバル候補からは脱落済みだが！勿論ハドラ、貴様もな。スマンな！」

「いるかそんな称号！」

「そうだ、ライバル等と嘆かわしい。私は貴様より強い。」

「なんだとぉ！？」

あ、また本音が
もう少し本音を隠す練習をせねばな
顔には出ないんだがなぁ……