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第十六話 ページ17

牙は本物感を出すためか鉄でできていた
中には炎
火を吹くシステムだったかそんな事が企画書に載っていた筈だ
火を吹いた後はスプリンクラーで火が消える

そう言う仕組みだが大蛇のオブジェクトは上を向きどんどん口許に私を近づけていく
パクパクと動く口はさながらスプラッター映画や工場に出てくる鉄の機械鋏のようで恐怖を覚えた

「な、なんだこれは!くっ……!」

すかさず手につけたボタンを押そうとしたが無理だ
腕まで締め付けられて押せない
もがけば大蛇は益々私を締め上げ思わず嗚咽が漏れる

「ガァッ……!」

「西園寺様!」

一の叫ぶ声がする
まずい、このままでは喰われる!
そうなれば機械熱と炎の熱、内部構造相まってで無事ではすまされない!

(考えろ私!打開策は……)

そう考えるも足で蹴飛ばしても機械のボディには傷一つつかない

「あ、あぁ!」

大蛇は口を大きく開ける
中ではゴォゴォと火が燃え盛る
これまでか
私は覚悟して目をギュッと閉じた
その時だ

「手ぇだしてんじゃねぇぞクソ蛇がぁ!」

「ギャァァァァ!」

「……は……?」

突然の事に頭が真っ白になる
物凄く汚い口調で一が飛び上がったと思ったら大蛇の顎目掛けて蹴りを一発お見舞いしていた
大蛇はバランスを崩し私を離した

「のわっ!?」

私は即座に落下した
しかしそれを一は優しくキャッチする

「大丈夫ですか?西園寺様?」

所謂姫抱っこと言う形式のそれで一はまるで王子様の様に微笑んだ

「っ……!?」

一緒、ほんの一緒
確かに心臓が高鳴ったのがわかった
な、まさか
そんなはずない
また
また私は
こいつに……

カッコいいだなんて思ってしまったのか!?

「西園寺様?」

「あっ……ば、馬鹿者!いつまで抱っこしてるつもりだ!早くおろせー!」

「あ、はい。すんません。」

熱くなる顔を必死に隠し、一から離れる
落ち着け落ち着け
よく考えてみろ相手は庶民、そしてなにより男だ
そんなあいつにこの由緒正しき貴族である私がほ、惚れるなどあるか!
……ってかカッコいいと思うことを恋だと直結してどうする!

「西園寺様ー、出口ありましたー。」

「え、あ、あぁ!すぐいく!」

よーし一旦この事は全て忘れろー?
次だ次!
そうだな……次はもっと軽いものからにしよう!
創立祭は縁日のような施設も多くある
そこで無理難題押し付ければいいんだ!
ったく態々苦手分野で勝負して私が馬鹿だった
その後、お化け屋敷を無事出た私達は次の場所へ向かった
お化け屋敷はその日1日メンテナンスにより休止となった

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作者名:闇鍋ソース&ナイフ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/  
作成日時:2019年8月18日 20時

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