第十三話 ページ14
「アッハッハッハ!ヒー!」
「笑うなぁ!このスカポンタン!」
執務室に入り、一にコーヒーを淹れさせにいかせた後これである
大爆笑して止まらない水無瀬に私は眉をひくつかせる
これで首を切らないのは水無瀬が昔ながらの旧友だからだ
だがなぁ…
そんなに笑わなくたっていいだろうが!
「手!手繋いで登校って!こ、子供じゃあるまいし!ヒー!」
「黙れ馬鹿!私だって嫌で仕方なかったに決まってんだろうが!だが一の奴がどうしてもと…!」
「だからってねぇ!?ふ、二人仲良く!ブフッ…!こ、恋人繋ぎで!」
「は?」
「あれ?知りませんでした?あの繋ぎ方恋人繋ぎって言うんですよ?そんな手の繋ぎ方して笑わない方が無茶ですよ!」
あんのやろぉ!
ちょっと切ない顔してたから気を許したらこれか!
ふっざけんなよあの赤髪!
私に恥かかせよって!
ギリギリ歯軋りすれば水無瀬はまた大笑いし出した
「いやー!もしかしてあれですかぁ!?『西園寺様は俺が守るから絶対離れないでくださいね…』『いやん!抱いて!』とかやってたりして!ヒー!」
「やめんか!ってかなんだその三文にもならん芝居は!そんな事してないし…ってかそれ私の真似かよ!1ミクロンも似てないわ!首切るぞ腐れ外道めが!」
「アッハッハ!いいじゃないですか!お似合いですよ?ホラホラァホモっちゃいなさいよー?チュッチュしちゃえばぁ?」
「や、め、ろ!」
悪ノリしまくる水無瀬に私は顔を真っ赤にする
何っで私が彼奴なんかと!
そもそも男同士だぞ!
てか何でそんなにグイグイくんだよ近いわ!
「ほら、ダンスパーティーの時もいい感じでしたしぃ?あ、もしかしてもうカップル成立してたりして!?」
「っ…!」
ダンスパーティーの時の事が瞬時に思い出され顔が更に赤く染まる
「や、も、もうやめろぉ…!」
最早後がない
このままじゃ一処かこいつにまで出し抜かれる
私が一番なのに!
一番じゃなきゃいけないのに!
しかしもう背に腹は変えられない
降参しようとしたその時
ヒュッ
「あー…すんません…手が滑りました。」
「ヒェッ…」
「一!?」
私と水無瀬の間に割って入る様に壁にフォークが突き刺さった
見れば恐ろしい顔をした一がコーヒーをもって立っていた
その顔般若の如し
ヤバイな
「貴族様の行動にとやかく申し上げる気はございませんが…俺は西園寺様専属の助手ですので…背後に気を付ける生活を送りたくなければ今後その様な事は控えるようおすすめ致します。」
「ひゃい…」
一にそう言われ、水無瀬はへなへなと座り込んだ
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作者名:闇鍋ソース&ナイフ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/
作成日時:2019年8月18日 20時