第一話 ページ2
「見て!潮様よ!」
「きゃー!こっち向いてくださいませ潮様!」
朝っぱらから聞こえてくる女生徒黄色い声
私は煩わしいと思いながらも女生徒に一瞥くれてやる
そうするだけで女生徒達は黄色い悲鳴を上げながら顔を赤く染めて走り去る
……正直な所面倒でしかない
私……西園寺 潮はこの学校、神代学園の頂点に立つ貴族生徒だ
神代学園には貴族第一主義という校風が掲げられている
学園には貴族と庶民の二種類の人間が通っているが、貴族こそが第一でありその他の庶民は貴族のために働くというものだ
そんな事では庶民が入りたがらないだろうと思うが、私の叔父にあたる学園長は庶民を入れる為に庶民は格安で通えるようにしているのだ
その代わり通ったら最後、卒業するまで奴 隷のように働かされるのだが……
一方貴族には最高の学園生活が約束されている
身の安全も食事も最高の物が保証され、何ならショッピングまで楽しめる楽園
貴族にも多少のカーストはあり、私はその貴族の中でも頂点の存在
学園の王のような者だ
「西園寺様……」
おずおずと黒スーツ姿の男が話しかけきた
私はそれに不機嫌に答える
「水無瀬、いい加減私の登校ルートに他の生徒が侵入するのなんとかできないのか?」
彼は水無瀬 悠斗
私の護衛部隊の隊長だ
コイツも貴族生徒の一人だがコイツの両親の方針で護衛に付かされている
兄が家を継ぐので厄介払いされたのだろう
まぁ待遇は貴族の待遇と同じなのだが
水無瀬はへこへこしながら苦笑いを浮かべる
「はぁ……しかしながらここは公共ルートですのでさすがの西園寺様でも……」
「ならばあちらから来れないようにすれば良い。私の半径50m圏内に登下校中侵入した者には多額の罰金を支払わせる制度を作るとしよう。」
「しかしそれでは庶民から反感を……」
「水無瀬、庶民は我ら貴族の奴 隷に等しいんだ。そんな輩のことは放っておけ。」
「は、はぁ……」
「そうと決まればさっさと執務室に向かうぞ。トップも楽ではないからな。」
私はそう言ってスタスタと歩を進めた
トップは学園そのもの
学園の規律の土台は叔父が作ったがその後の方針は私が決める
そして今日もまた新たな方針生まれる
学園は私を中心に回るんだ
「ん?」
ふと視線を向けると綺麗な赤髪の青年がこちらを見つめていた
服装からして学園の生徒だろう
それも庶民
驚いたような、動揺するような
(なんだ彼奴……)
庶民と関わる気はない
気味が悪いと私はそのまま歩みを止めることなく去って行った
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作者名:闇鍋ソース&ナイフ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mesemoaLOVE/
作成日時:2019年8月18日 20時