諦め１１ 後ろの正面 ページ13
「Aさん、今日予定ありますか？ないなら俺と食事でもどうでしょう？」
『あー、いいです』
「え、いいんですか！？」
『違う遠慮する方の「いいです」です』
しゅん、と肩を落とす目の前の男…佐藤、会社の後輩だ。端整な顔立ちに、実家は金持ち…ああ、まるで私達とは別次元の世界にいる人間だ。はい自虐乙。
彼の整えられた茶色の髪は今流行りという髪型で、会社にこんな髪型してくんなと思う。が、ここの会社は大分自由なので咎められやしない。
私こいつ苦手なんだよなぁ…グイグイ来るし、正直鬱陶しい。イケメンならなんでも許されると思うなよ！
あと命が惜しかったら私の前から消えた方がいいと思うな。いやこれ割とマジで(主に次男のせい)
ごくごくたまに私が誰かに告白されると、返事をする前にその人が「すみません本当にすみません告白無かったことにしてください怖いお願いします死にたくないすみません」と怯えながら謝り倒すのだ。
……本当にうちのバカが申し訳ない。
「お、いいじゃないか！折角だから皆で飲もう！」
「じゃあ場所は…」
「佐藤くんっ、部長っ！私達もいいですかぁ？」
「ん？勿論！Aさんも行きますよね？」
『えっ』
…………クソ上司が空気読めゴラァ。
そんなことを言う勇気なんて私には無いため、渋々といった感じで行くことになった。メンバーには私が嫌う、このイケメン狙いの年下の女子二人組が私を嫌悪した目で見ていた。
そんなつもりないんだって。はあ、と深い溜め息が漏れたが、既に私をそっちのけにして盛り上がっている彼らはそれに気付くことはなかった。
数時間居酒屋で飲み、イケメンに話しかけられ後輩女達には睨まれ、空気読めない上司が空気を読まず、本当に散々だった。
はあ、と前にいる四人に気付かれないように溜め息をつく。こんなんじゃ兄弟と飲んだ方がいい。全裸になったり喧嘩になったり次男が私の貞操を狙ったりするけど、全然ましか。いや最後のは勘弁してくれ
……………噂をすれば影が差す、とはこのことだと私は思った。
「姉さん、こんな時間まで何をしているんだ？」
ひっ、とひきつった声を出してしまった私は、もうとっくに背後の恐怖の存在に気がついていたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ヤンデレ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花音(プロフ) - サイコパスカラ松めっちゃ好き〜最高です！ (2019年3月12日 22時) (
レス) id: 34fee7140d (このIDを非表示/違反報告)
凛 - サイコパスカラ松めっちゃ好きです！更新楽しみ待ってるので、頑張ってください！ (2018年7月15日 8時) (レス) id: b6e54c02d4 (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - ダメ天使さん» ありがとうございます。サイコカラ松はいいぞ…頑張ります！ (2017年12月19日 17時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
ダメ天使 - 面白いです！サイコパスカラ松カッコいい！次の更新楽しみにしてます！ (2017年12月19日 11時) (携帯から) (レス) id: 89fc855d6c (このIDを非表示/違反報告)
サトー(プロフ) - ゆかりさん» ありがとうございます、これからも頑張ります！ (2017年12月17日 14時) (レス) id: 06798f4f12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サトー | 作成日時：2017年11月3日 0時
