第198話 ちやほやしてくれ ページ8
「お願いします!!神様仏様総悟様!!」
「嫌でさァ」
「なんで!!」
昼休みに入ってすぐ。
私は龍太との昼食へ一緒に道連れになってくれる人を探していた。
そこで白羽の矢が立ったのがこの総悟である。
「何で俺なんでィ、夏実とかの方が適任だろィ」
「夏実どっか行っちゃったんだよ。土方は勉強だから邪魔できないし。総悟暇でしょ」
「……絶対行かねぇ」
「何で!?」
「失礼なこと言われた気がしたんでィ」
え、言ってないし。総悟が暇人だなんて空耳だし。
「お願いだって総悟。ほら、あるでしょ?
昔の友達と数年ぶりに再会していきなり食事に行くことになったけどちょっと気まずいなーみたいな」
「いいや全く」
「何でだよ。さては友達居ないな……いたっ」
しばかれた。
ところでこの小説での男性キャラの皆さん私に結構軽く暴力振るいませんか。
これ一応夢小説ですよ、夢見させてくださいよ。もっとちやほやしてくれても良くないですか。
しかしそんな願いは叶わない。
結局、明日の昼食を奢ることと引き換えに付いてきて貰うことになった。
変なドSを発揮して、とんでもない量食いそうで怖い。
だが従う他に道はないのだ。無念。
保健室に入ると、中央に置かれた長机のところに龍太が座っているのが目に入る。
彼は私のことを見るなりにこっと笑ったが、総悟が目に入ると首を傾げた。
「その人は?」
「えと、友達」
「えっ、ウソ」
「ウソって何。どういう意味」
「A、僕と夏実以外に友達いるの?」
「それちょっと失礼じゃない?」
何で私のこと昔から知ってる人達は私に友達いると驚くの?
私のことなんだと思ってるの?
「総悟でさァ。沖田総悟」
「あぁ、剣道部の」
「知ってたんですかィ」
「まあね。確か、Aと追いかけっこしてたよね。部活来いーって」
そういえばそんなこともあったな。
あの頃はまだ総悟が苦手だったんだっけか。
「でも、アレ?Aって沖田君のこと苦手って言ってなかった?
仲良くなれたんだ、良かったね」
「何でそれ言うの!?」
「マジかよ。じゃ、俺はこれで」
「あー違う違う!今はそんなことないって大好きだって総悟君!!」
だから頼むから帰らないでくれ!!
2人きりにしないでくれ!!
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作者名：mire | 作者ホームページ：http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時：2017年12月13日 20時
