第211話 また寝不足 ページ21
夏実がいないと、『本当に私たちはなぜいつも一緒に居るんだ』みたいなことになることを深く認識して、昼休みは終わった。
本当に夏実、明日はちゃんと来て。
そして、授業は終わり、時は放課後。
総悟はそれじゃ、と帰ってしまったので、土方と2人で相も変わらずお勉強だ。
2人きりになって、よくよく顔を見て気づいたことが一つ。
「なんかややこしいこと考えてるでしょ」
「……なんのことだ」
「とぼけないで。私と君がどれほどの付き合いだとおもってるの」
「ねぇよ。つか、まだ1年も一緒にいないだろうが」
「ばれたか」
バレてしまっては仕方がないな。
でも、悩みがないと無いとすればなんだ。
無いとすれば――――
「ちゃんと寝てる?」
土方の手が止まる。
ビンゴか。
「また前みたいなやつ?大丈夫なの?」
「まぁ」
「『まぁ』って何、『まぁ』って」
「前の感じに似てるけど、ちょっと違う気がすんだよ」
「なんだそら」
「なんか、イライラするっつーか」
「それこそ溜まってんじゃないの」
「お前そればっかだな。セラピー向いてねぇよ」
当たり前だろ。
そんなん私に向いてない職業No.1だ。
なろうとも思わねぇよ、世のため人のためにならねぇ。
「本当に溜まってないの?ちゃんとしてる?」
「溜まってねぇし、仮に原因がそこならお前に相談なんてしねぇ。つーか、いい加減下ネタやめないとプラウザバックされんぞ」
「それはやばい。違う原因を探そう」
違う原因。なんだろう。
前はおそらく受験勉強の不安からってことを話してた。
受験勉強じゃないとすれば。
「恋とか?」
「……何言ってんだお前」
「ごめん、そんなに睨まれると思ってなかった」
鬼のような目で睨む土方をどうどうと落ち着かせる。
全く、受験生は神経質だね。
「じゃあもうわっかんねぇよ」と伸びをする。
この話若干飽きてきた感がある。
「あれじゃない?寝る前に携帯とかいじってんじゃない?」
「そんなに携帯見ねぇよ。俺」
「あぁ、そうだね。メールとか送ってくる人少ないもんね」
しばかれた。
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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時:2017年12月13日 20時