第171話 祭りが終わって ページ29
この日分かったこと。
私は多分、本当は凄く甘ったれた奴だ。
昔は夏実や龍太の優しさに甘え
今は土方や総悟の優しさに甘えている。
きっとこれから先もそうなのだろう。
私は誰かに負荷をかけながら生きていく。
―――ゴトン
「………痛い」
ベッドから落ちた痛みで目が覚めた。
どこだここは、私の部屋か、そうか。
あの後帰ってきてからの記憶が無い。
というか帰り道の記憶すらもない。
無心で家に帰り、無心で泥のような眠りについたのだろう。
未だ着たままのぐしゃぐしゃの制服がそれを物語っている。
アイロンしなきゃいけないじゃんか。
めんどくせぇ。
今日と明日は代休だ。
時計を見るともう12時前だった。
よく考えれば昨日の昼から何も食べていない。
――――――シャワー浴びて、そっから適当なものを腹にいれなきゃな。
そこまで考えてふと頭に浮かんだ、こういう時の我が家に今まで適当なものがあっただろうかという考えは気付かなかったフリをするとして。
とにかく私は燃料の入っていない体をやっとの思いで動かし、部屋の扉をなんとか押し開けた。
そしたら。
「あれ……A……おはよう………」
酷くやつれた母の姿があった。
「……なにしてんの」
「いや、今日休みでさ。
だから昨日、久しぶりに飲むかーと思ってさ、同期と飲みに行ったのさ。
そしたら、ちょっと後先考えずに飲み過ぎちゃって………うっぷ」
「早くトイレに行ってくんない?」
私の言葉に頷く余裕も無く、母はトイレに駆けていく。
もはや元気につっこむ気もおきないよ。
トイレから母の聞きたくもない苦しそうな呻き声(というか嘔吐の声)が聞こえるので、
なるべくトイレから離れよう。
そして忘れるところだった。
シャワーを浴びに行こう。
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作者名:mire | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/456/0601kamui330/
作成日時:2017年10月24日 20時